山口県

祝島その1(上関町)

柳井港から室津・上関を経て連絡船で約1時半、周防灘に浮かぶ祝島に着く。連絡船は1日3便。この決して便利とはいえない島を過去3回も訪れている。最初(1969年)は島の名前に惹かれた。2度目(1994年)は独特な石積み塀を巡らせた家並みを描きに出かけた。3回目(2003年5月)はネットで知り合った仲間とのオフ会がこの島で開かれた。

祝島1(上関町)03・05・24 アルシュ極細目36×51cm      
この絵を描くために玄関先を拝借していた家のご主人が、屋敷内の畑からビワをもぎとってきてくれた。ビワはこの島の特産である。その甘さは店で買うものとは比較にならなかった。この島はちょうど台風の通り道にある。その厳しい気象条件がこの珍しい景観を生んだ。石積みの塀だけでなく屋根の上にも石を置き重石にしている。

祝島2(上関町)03・05・24 アルシュ極細目36×51cm
祝島には原発問題をめぐり島の人が「賛成」と「反対」の2つに割れた厳しい歴史がある。2度目の訪問時には島全体を重苦しい雰囲気が包んでいた。今度は通りがかりの人がみな明るく声を掛けてくれた。1回目の時撮った写真で一番気に入った場所を探して描いたのがこの絵。残念ながら廃屋になっていた。過疎化と高齢化が着実に進んでいるという。

祝島3(上関町)03・05・25 モンバルキャンソンF8
24日は暑いぐらいの天候だったが、25日は朝から雨模様。外で雨に遭うのもしゃくだから、宿泊した民宿「くにひろ」の窓から甍の波を描いた。部屋に上がってきたご主人とあれこれ会話した。宿の息子さんは東京で働いていたが、最近、光市に勤めを替え、土日ごとに島に帰ってくるという。たまたま島へ渡る船で一緒になったが、さわやかな好青年で、祝島のホームページを開設するなど島のことを考えている。

ネットでの付き合いながら初めて会った気がしない。皆さん町並み歩きのベテランで、このオフ会を機に「いらかぐみ」を結成、今後も交流を深めていくことにした。

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