和歌山

塩津その1(海南市下津町)

塩津は漁業とともにかつては廻船業でも繁栄したそうで、普通の漁村に比べ風格のある家々が多い。しかも急傾斜地に建物がへばりつくように建っているため、変化に富んでいてスケッチポイントが多い。家々を繋ぐ急坂の石段で出会ったこの町の人が「最近は新しい建物も交じったが、昔はスケッチのメッカと呼ばれたものですよ」と教えてくれた。

塩津@(海南市下津町)07.04.17  36×51cm
海辺の集落の俯瞰を描かせたら「天下一品」との評価があるひまつぶしさんに声をかけられ、下津へ行った。とりあえず彼のお薦めのポイントで1枚目。正面の山が燃えるような若葉で美しい。それに目を奪われ主役の家並みが食われてしまった。仕方なく家の陰を濃い目に仕上げてバランスを取った。

塩津A(海南市下津町)07.04.17 36×51cm
漁村へ来たからにはやはり港を描かねばと2枚目は港の俯瞰を。海の向こうには海南火力発電所やバブル時代に開発された「和歌山マリーナシティ」が見える。夏にはこの村からきれいな花火が見えるそうだ。

塩津B(海南市下津町)07.04.17 31×41cm
急斜面に広がる塩津では雛壇状に造成された敷地にびっしりと家が建てられていたようである。宅地を造成するための石垣の積み方にもとても特徴があり、平らな赤っぽい石が丹念に積み上げてられている。しかし、過疎化が進み空き地も目立つようになった。スケッチした場所にもその上の段にも、さらにその左側にもかつては家が建っていたことが分かる。

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