和歌山県

塩津その2(海南市下津町)

塩津が気に入って、連続して2回出かけた。2回目の絵を集めて「その2」とした。別掲のF3スケッチも含め全部で6枚。実働8時間の重労働。しかも帰宅後に仕上げをするという「持ち帰り残業」付きだった。

塩津2-@(海南市下津町)07.05.08 36×51cm
前回、描き残したという思いがしていた塩津に再び出かけた。海側から描くには日陰がないから、今がラストチャンスとも思いもあった。皆さんが仕事のウィークデーだから、道が混んではいけないと、朝6時過ぎに家を出たら、なんと8時に着いてしまった。夏を思わす日差しだったがまだ辛抱できる。岸壁に陣取り、爽やかな海風を受けながら気持ちよく描いた。

塩津2-A(海南市下津町)07.05.08 36×51cm
朝早くから描き始めたため、まだ時間はたっぷり。2枚目はこの集落の特徴である急斜面にひしめく民家群に焦点を当てた。埋め立てで取り残された旧防波堤の上で描いていると、1枚目を描いているとき通りかかったご婦人がまたやってこられた。この絵には入っていないが、このすぐそばに自宅があり、ご自身も日本画をやっておられるという。描き終わって「次は石段を描きたいな」というと「わが家の裏がよい」といわれる。3枚目はご婦人の家の裏へ。

塩津2−B(海南市下津町)07.05.08  31×41cm
ご婦人には下から見上げる構図を薦められたが、広がりがないので上からにした。この町の坂道にはところどころにレンガ塀がある。レンガ塀の上側半分がアルミ製の軽やかな塀になっていたが、本瓦ぶきの屋根が描きたかったので、そのアルミ塀は取り去ってスケッチした。ご婦人も「ご相伴」と言いながらスケッチブックを持って出てこられた。スケッチ現場で出会った方と一緒にスケッチするのは初めての経験である。途中で冷たい飲み物を運んでいただくなど大変お世話になった。








塩津2−C(海南市下津町)07.05.08
31×41cm






もう1枚描きたいとポイントを探し、この集落の一番の特徴である狭い石段で描いた。少し描き込みすぎた感じがしたため、F3で描き直した。こちらのページの一番下に。

塩津2−D(海南市下津町)07.05.08 36×51cm
海の表情は朝と夕でまるで違う。1日のスケッチを終えて駐車場へ向かう途中、防波堤に出て振り返ると朝とは違うドキッとするほどきれいな塩津があった。さすがに疲れたので、簡単なスケッチでとどめ、翌日自宅で仕上げた。夕日の中の塩津を描いたつもりなのに、出来上がった絵は朝の風景みたいになったのはご愛嬌。

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