島根県

木綿街道(出雲市平田町)

出雲市平田町(旧平田市)は平田船川と宍道湖を利用した水上交通の要衝として栄えた。とくに江戸時代から明治時代にかけて”雲州木綿”を取引する市場町として発展した。船川沿いの道筋に古い町並みが残っており「木綿街道」という名前を付けて町おこしをしている。その木綿街道へ行ってみると、名前に反してお酒や醤油の醸造元が多いが、なまこ壁がアクセントになったなかなか感じの良い町並みであった。

木綿街道(出雲市平田町)2014.05.30     36×51cm
この日は平田のホテルを予約していた。この町へ宿を取ったのは、次の日の予定の関係もあるが、平田の町並みそのものにも関心があったため。木綿街道へ直行し、一番整っている本石橋邸に焦点を当てて描いた。かつての地主の家で18世紀中ごろの建築といい、公開施設になっている。午後遅い時間帯なので描きたい建物が逆光になり、スケッチ場所に日が当たるという悪条件だったが、この際仕方がないと思い、暑い中で描いた。

平田船川(出雲市平田町)2014.05.30     F6
木綿街道の家並みの裏手に平田船川の流れがあった。昔は水運に使われていたそうで、ところどころに水際に下りる施設がある。逆光で家並みは詳しく見えないが、何となしにいい雰囲気だと感じた。正面から陽が照りつけ暑かったが、辛抱して描いた。この近くに大規模な立ち寄り温泉施設「ゆらり」があり、明るいうちに露天風呂を楽しんだ。

本石橋邸(出雲市平田町)2014.05.31     F6
前日の午後、暑い思いをして逆光の中で木綿街道の町並みを描いたが、朝だと建物の正面に日が当たり、しかも日陰で涼しく描けることが分かった。このため翌朝一番で、もう1枚スケッチすることにし、前日も描いた本石橋邸の正面に座った。白い木綿製の暖簾が木綿街道の町おこしのシンボルになっているが、これも記念として丁寧に描いておいた。

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