大阪府

吉見ノ里(田尻町)

田尻町は泉佐野市と泉南市に挟まれた狭い町である。町の対岸に関西国際空港が開港、空港中央部分の約3分の1が同町の町域になり、また海岸部にも埋立地ができた。町のホームページによるとそれまで1・94平方kmだった町の面積はうんと広がったが、それでも3・86平方kmしかない。

吉見ノ里(田尻町)04・01・10 F8
04年の「描き初め」にこの町を選んだ。吉見ノ里というしゃれた名前の駅で降り、旧紀州街道に出ると、交差する狭い路地の両側に本瓦ぶきの豪壮な住宅がひしめいている。どこを描こうかと迷うほどだった。派手なつり橋の架かった田尻港に行くと、対岸の空港から次々と飛び立つ飛行機が手に取るように見えた。

1993年4月、開港を目前にした関西新空港の全容を紹介する本を出した時、無理を言って表紙に私の絵を使ってもらった。その原画がこれ。もちろん工事中の空港島内でスケッチブックなど広げることは不可能だったから、写真から描いた。


新空港を正面から取り上げた本は初めてだったから、この本は予想以上に売れた。


本の帯には当時、関西経済連合会会長だった宇野収氏の推薦文をいただいた。

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