大阪府

谷町6丁目付近(大阪市中央区)

谷町6丁目から9丁目にかけて谷町筋の一つ西側の通りにはお寺が密集していて、京都にでも出かけたような気分になる。谷町筋は上町台地と呼ばれる高台を走っているため、この周辺は大阪では珍しく坂の多い町でもある。近くには近松門左衛門の墓もある。しかも戦災の被害を受けていないため、古い町並みも残っている。

谷町6丁目D(大阪市中央区)2014.06.24     F6
悠彩会メンバーのNさんが谷町6丁目のギャラリーで開催中のグループ展に作品を出展しておられるので、同展を訪問したついでにその近くでスケッチした。この交差点周辺は風情がある建物が残っているため、多くの人たちがスケッチしている。私自身も気に入って、何回か描いているが、よく見るといつの間にか様子が変わっている建物も多い。角のお宅は食堂だったが、しばらく前から店を閉めたままになっている。

安堂寺町2丁目(大阪市中央区)2014.06.24     F6
谷町6丁目のすぐそばの長堀通沿いで、大阪市内ではとても珍しい風景に出会った。大阪市はペタンとした平原に市街地が広がっており、このように段差のある土地というのがそもそも珍しい。さらにその上にある建物も、1階(隣りの土蔵との位置関係から見ると半地下?)がレンガ造、2階が木造であろうか、興味深い構造である。登っていくといきなりドアに突き当たる石段も面白い。石段の下の門扉にはある宗教団体の教会名のプレートが張り付けられていた。

観音坂(大阪市中央区谷町6丁目)2011.06.23     F6
東京都内なら珍しくもなんともない「坂」だが、大阪市内では上町台地周辺にしか見られず、珍しい存在である。谷町6丁目と谷町筋をつなぐ小さな坂があることは知っていたが、スケッチするために行ってみると「観音坂」という石柱が建っていた。

谷町6丁目C(大阪市中央区)08.12.18  36×51cm
この日は夕方から飲み会があったので、ついでにスケッチすることにした。空堀商店街の入り口にある古い町家を描くつもりだったが、行ってみるとすっかり姿を消し、マンションが建つらしい。仕方なく、下の絵と同じ場所を反対側から描くことにした。ところが今度はパラパラと雨。ついていない時はこんなものである。

谷町6丁目A(大阪市中央区)06.05.30 36×51cm
店頭に椅子を置かせてもらったお店のご主人によると、左側の「大阪型うだつ」を付けたお宅は明治43年の建築で、この辺りの長屋風の建物の家主だそうだ。交差点の角に銅板をかぶせた大正時代の建物もあって「ここでスケッチする人は多いですよ」と近所の喫茶店のご主人が教えてくれた。「大阪型うだつ」は明治から大正にかけて作られた近代うだつで、大阪以外に小樽や函館で同様のものが見られるという。

谷町6丁目B(大阪市中央区)06.10.15 36×51cm
上の絵にある交差点の角から描いた。ビル群の中に軒の低い町家が残っている。右側の大きな建物は、わざわざ出てこられたご主人の説明によると大正8年の建築だそうで、その向こうに見える家はもう少し古そうだ。ただし、民家を描くというよりは盛大に並ぶ自動販売機を丹念にスケッチした気分だった。

谷町6丁目@(大阪市中央区)06.05.12 36×51cm
改めて谷町6丁目から生玉寺町までポイントを探しながら歩き、6丁目で坂の上に空堀商店街が見える場所でスケッチした。戦災に遭っていないといっても、いわゆる古い町並みではなく、時代の流れとともに中小工場や商店、住宅などが雑多に交じる庶民的な町になっている。おっちゃんやおばちゃん、学校帰りの子供たちに囲まれての賑やかなスケッチとなった。

谷町8丁目(大阪市中央区)91・12・29 F6
この付近で一番立派な町家と思い、地蔵坂と呼ばれる坂道でこの染物屋の老舗を描いた。暮れも押し詰まっている。時折、雪がちらついてきて「我ながら物好きなこと」と思いながらスケッチ。体の芯まで冷えた。(15年後の06年に訪問してみると、建物そのものは健在だったが、商売はやっておられないようだった)

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