大阪府

原(高槻市)

城下町であり西国街道の宿場町でもあった高槻市には市内中心部に多少古い町並みも残っているらしい。しかしこの町は通過するばかりで、ゆっくり町並みを歩いたことはない。高槻から京都府亀岡市へ向かう府道に沿って姿の良い家並みが連なっている集落が原地区である。便利な場所なのにのんびりした風景が描けるとして、スケッチする人には結構人気のあるポイントである。

   
  晩秋の「原」(高槻市原)21.11.20   F6     
  高槻市原で悠彩会スケッチ会が開かれた。広々とした田圃が広がる原では、黄色い稲が残っているときがスケッチシーズンだが、すっかり晩秋となった風景を追った。バスを降り、集落へ入っていくと世話役のOさんがさっそくイーゼルを建てておられる。その横に座って取りあえずの1枚。  
 
 
   
  柿の木がある家(高槻市原)21.11.20   F6  
  原の集落は亀岡へ抜ける府道の東側と西側に広がっている。東側の小高い山裾にある集落では描いたことがなかったので。ポイントを探した。この日の昼食は東側集落にある農家で提供している農家ランチが予約してあったので、好都合である。川沿いの一本道を歩いて行くと、庭先の秋の木があるお宅があったので、これを2枚目に選んだ。  
 
 
   
  寒天小屋@(高槻市原)21.12.03   F6  
  ランチには幹事さんの気遣いで缶ビールが一本ずつ付いていた。コロナ禍以来、みんなで揃ってアルコールを口にするのは久し振りである。さて、午後も遅めになったが、原には昔使っていた「寒天小屋」があり、人気のスケッチポイントだという。高槻市北部の山間部では江戸時代から寒天の生産が盛んだったといい、そのための作業小屋が今でも残っているのだという。たんぼ道を歩いて、その寒天小屋へ行ってみた。今は使われていない農作業小屋に過ぎないが、傾いた日射しを感じながら1枚播いた。  
 
 
   
  寒天小屋A(高槻市原)21.12.03   F6  
  「寒天小屋」は何の変哲もない農作業小屋だが、裏側へまわると多少変化があって面白い。日は傾き、気温も下がってきたが、もう1枚描くことにした。原は高槻市の市街地の続きといった場所にあるが、かつて寒天づくりが盛んだったというからには、市街地との気温差も厳しいのであろう。  
 
 
   
  「原」の秋@(高槻市原)19.10.01    F6  
  黄金色の田んぼが広がる高槻市原で3日に浪漫会のスケッチ会が予定されていた。ところが台風接近による雨予想で早々に中止となった。せっかくのベストシーズンを逃したくないと思い、晴天となった1日に前倒しで1人スケッチ会を実施した。地区の中心部にある原公民館に車を止めさせてもらい、すぐ近くの農作業小屋の日陰でとりあえず1枚目を描いた。原でのスケッチは下の絵を描いてから実に17年ぶり。  
 
 
   
  「原」の秋A(高槻市原)19.10.01    F6  
  スケッチポイントを捜しながらたんぼ道を歩いた。もう彼岸を過ぎたのにとても暑いので、日陰で描ける場所を探すのが最優先課題。しばらく行くとゴミ収集小屋の小さな日陰があり、目の前に広々とした田んぼが広がっている。ベストポイントではないが、贅沢は言えないと思い2枚目に選んだ。左側の山の上に見えるのが、見晴らしの良い「浄圓寺」。  
 
 
   
  「原」の秋B(高槻市原)19.10.01   36×51p  
  そのままたんぼ道を歩くと、自然に地区の東側を通る府道に出た。府道は少し高い所を通っており、見晴らしが良い。府道から田んぼへ下りる坂道が家屋の日陰になっていたので、そこでスケッチブックを広げた。遠くに原の家々が並んでいるが、描いていて2002年に描いた絵(↓)と同じアングルだと思った。帰宅後比べてみると、確かに同じ家並みであった。  
 
 
   
  「浄圓寺」から@(高槻市原)19.10.01   36×51p  
  原の田んぼや集落の家並みを見下ろす小高い場所に「浄圓寺」というお寺があり、その門前が抜群のスケッチポイントだといろんな人から聞いていた。午後になり太陽が西に回るのを待って浄圓寺の門前へ行った。目の前には確かに素晴しい景観が広がっており、狙い通りに門前は日陰になっていた。しばらくしてご住職らしい方が出てこられたので、無断でスケッチしていることをわびると「どうぞどうぞ」と快諾していただいた。  
 
 
   
  「浄圓寺」からA(高槻市原)19.10.01   36×51p  
  高台にある「浄圓寺」の門前から身を乗り出すようにして右手(南の方)を見ると、複雑な家並みが広がり、その間に黄色の田んぼが混在していて、なかなか面白い構図である。ということで、引き続きもう1枚描いた。  
 
 
原(高槻市)02・08・11          F8
このころ、横に広がる家並みが描きたくて車を運転している時に、いつも目で追っていたが、高槻から亀岡に向かう府道を走りながらこの風景を見つけ、いつかは描きたいと思っていた。夏の暑い日、この家並みを描きに出かけた。

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