大阪府

中崎町(大阪市北区)

中崎町は大阪駅から徒歩圏内だが、戦災を免れた町のため、何となしに懐かしい雰囲気が漂う町である。それほど古い町並みが残っているわけではないが、大阪特有の軒下に銅板を張った民家が人気で、中崎西1丁目から3丁目にかけたあたりでスケッチする人が多い。地下鉄の駅名は中崎町だが、実際の町名に中崎町はない。

     
   黄色い家(大阪市北区中崎西)16.04.24    F6  
  16年4月度の悠彩会スケッチ会が大阪・中崎町で開かれた。このところ中崎町でのスケッチチャンスが多く、スケッチポイントを絞るのに少し困ったが、15年3月にも描いた真っ黄色の建物を角度を変えて描くことにした。前回描いたときは「カフェ・カリエンテ」だと思って描き、ネオンもそのままだが、いつの間にか商売替えをしたのか、テントの文字を読むとセレクトショップ「tenten」となっている。中崎町は若者の町に変貌しているが、もちろんここで暮らす人も多く、2人のかわいい子供を連れた人が散歩に来たので、絵に描き込んでおいた。  
 
 
     
   美容室のある交差点(大阪市北区中崎西)16.04.24    F6  
  中崎町の古い町並みの範囲はそれほど広くないため、新規のポイントが思い浮かばない。古い町屋を活用した美容室のある交差点で皆さんがよく描かれており、前回の悠彩会スケッチ会でもほぼ同じ場所から描いた。しかし道の反対側からだったから「まあいいか」と2枚目に選んだ。  
 
 
     
   中崎町界隈F(大阪市北区中崎西)16.04.24    F6  
  昼食会開始までの時間を利用して3枚目を描いた。あまり時間がなかったので、いつもと違う少し荒いタッチで描いてみた。昼食会の会場はこの絵の右側にもブルーのテントで描き込んでいる「和楽」というレストラン。スケッチ会には店の椅子の数を上回る参加者があったので幹事さんが貸し切りにしてもらっていた。2016年5月開催の第10回個展の案内状に下の中崎町界隈Bの絵を使ったが、その絵にもこの店を描いているので、店の方にも案内状を手渡しした。偶然とはいえこんな経験は初めてである。この日は夕方に別件の用事があり、昼食後引き上げた。  
 
 
中崎町界隈E(大阪市北区中崎西)       2015.03.25      F6
この日、浪漫会のスケッチ会が大阪駅に近い中崎町界隈で開かれた。昨年9月にこの町で悠彩会スケッチ会が開かれたばかりで、しかも絵になるポイントは限られているので、スケッチ場所を決めるのに多少困った。↓のCの絵と同じ交差点で西向きに描いてみた。遠くに茶屋町周辺の高層ビルが見える。通りがかった近くに住む人が「このあたりは昔、メリヤス屋さんばかりだった」と教えてくれた。

「カフェ・カリエンテ」(大阪市北区中崎西)       2015.03.25      F6 
2枚目には古い建物に黄色のペンキを塗りたくった「カフェ・カリエンテ」とその隣の「89カフェ」を描くことにした。悠彩会スケッチ会の時、仲間のNさんとMさんが描いていたので気になっていた。建物に掲げてある「CALIENTE」はスペイン語で「熱い」という意味らしい。手前の柱の看板は、右側にある風呂屋のもの。

中崎町界隈B(大阪市北区中崎西)   2014.09.20    F6    
悠彩会の9月度スケッチ会が中崎町界隈で開かれた。中崎町に戦前に建てられた町家が随所に残っており、それらの多くがおしゃれな店として活用され、町を散策する若者の姿も目立つ。地下鉄中崎町駅に集合、幹事さんがしっかり下見をして作ってくれたマップに従って北へ歩き、○印が付いている中崎西3丁目でとりあえず1枚目を描いた。しばらくしてどうも見覚えがあるような気がして、以前同じ場所で描いたことを思い出した。帰宅して確かめると08年6月にほぼ同じ構図で2枚も描いていたので、タイトルはBとした。(2016年5月開催の第10回個展の案内状にこの絵を使った)

中崎町界隈C(大阪市北区中崎西)   2014.09.20    36×51cm
中崎町での悠彩会スケッチ会の2枚目は、同じ場所を反対側の北側から描いた。あちらこちらで仲間のメンバーが描いている。この近所にいつも悠彩会展でお目にかかる方が方が住んでおられ、この日もメンバーの誰かから、悠彩会のスケッチ会だと聞いてやって来られた。男性ばかりがグループでスケッチしているのは珍しいからすぐ分かるのだろう。「今年も悠彩会展へは行かせてもらいます。楽しみにしています」とうれしいご挨拶。また、私の個展に来てもらった方も、たまたま近くでスケッチしておられたため、悠彩会展の案内状を手渡し、お誘いしておいた。

中崎町界隈D(大阪市北区中崎西)   2014.09.20    F6 
悠彩会スケッチ会の楽しみは昼食会。今回はJR東海道線のガード下にあるおしゃれなカレー料理店だった。時々、MRI(磁気共鳴画像)検査を受けているような騒音がするものの、雰囲気と味は良かった。若者向きの店で男性老人グループは目立つ存在。さて食後にまた同じ場所へ戻り、午前中に最初に座った場所を反対向きから描いた。Y字型の交差点がちょっと面白いかな、という理由でこの場所を選んだ。

「天劇キネマトロン」(大阪市北区中崎西1丁目)   2014.09.20    F6
もう帰ろうかと中崎町駅へ向かっていると、まだあちこちで仲間の皆さんが描いておられる。朝から気になっていた蔦の絡まる倉庫のような建物の前でもTさんが盛んに絵筆を動かしておられる。それでは私ももう1枚と、同じ建物の前に座った。レストランか何かだろうと思いながらスケッチしたが、帰宅後、ネットで調べてみると、築80年の元印刷工場を改造して08年6月にオープンした「天劇キネマトロン」という自主制作映画専門のミニシアターだそうで、カフェ&バーも併設されているとか。

中崎町界隈@(大阪市北区中崎西)08.06.27        36×51cm
道路脇に座って描き始めると、町の人がとても優しい。通りがかりの人も、立ち止まって何かを話しかけてくる。近くの工事現場にいた年配のガードマンもたびたびやってきて「車に気をつけて」などと声を掛けてくれる。この人は若いころ、画家を目指したこともあるとか。

中崎町界隈A(大阪市北区中崎西)08.06.27         F6
上の1枚目は小さな日陰に入り込んで描いた。しかし、昼が近づくとその影はすぐにやせ細り、やがて消えてなくなってしまった。道路の反対側へ移ると、こちらの方が構図が面白い。幸い日差しはそれほど強くないので、少々暑いのを辛抱、やけくそで2枚目を。手前の長屋には、京都で見かけるような「ろうじ」も口を開けていた。

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