大阪府

御堂筋(大阪市中央区)

大阪市の目抜き通りである御堂筋は1937年(昭和12年)に11年の歳月をかけて拡幅工事が完成、現在の姿になった。それまでは淀屋橋筋と呼ばれる幅6メートルの狭い道路だったが、当時の関一(せき・はじめ)市長の英断により、地下鉄と同時に工事が進められた。その沿道でのスケッチ。

大丸心斎橋店(大阪市中央区)2015.10.19   F6
この日、心斎橋や道頓堀周辺で開催中の展覧会を訪問する途中で「そうだ!大丸心斎橋店を描いてみよう」と思いついた。ウィリアム・ヴォーリズが設計し1933年に完成した同店の建物が老朽化したため、2016年初めから解体工事に入り、2019年まで工事が続くという。御堂筋に面した外壁は保存されるという新聞記事は読んだが、「いずれにしろスケッチできるのは今のうち」である。ところが行ってみると、すでに建物の一部にカバーがかかっている。一瞬「もう解体が始まったのか」と思ったが、どうやら別の工事だったらしい。

御堂筋の道頓堀あたり(大阪市中央区)2013.04.25        F6
ミナミとキタで開かれている展覧会を訪問するため大阪へ出かけた。まずミナミの道頓堀へ。展覧会鑑賞後、どこかでスケッチしようと御堂筋へ出た。道頓堀より一筋南の通りとの交差点でふと東側を見て、ここも面白いかなと思った。左側の高い建物は松竹座。御堂筋沿いのそれぞれの店が、これでもかこれでもかと派手な色彩で、その存在をアピールしている。しかし、派手な色彩がそれぞれの効果を相殺している。

なんば新歌舞伎座(大阪市中央区)09.06.23   F6
大阪ミナミの御堂筋沿いにある「なんば新歌舞伎座」が09年6月末で閉鎖されると聞いた。閉鎖後は取り壊して再開発されるということなので、大阪へ出たついでにスケッチしておくことにした。新歌舞伎座という名前だが、歌舞伎は1995年以来上演されず、杉良太郎をはじめとする歌手のショーや演劇の殿堂でとして人気を集めてきた。私自身も一度だけ小林旭ショーに付き合ったことがある。この劇場は経営会社が目まぐるしく変わったことでも印象深く、一時はスーパー・ダイエーの系列だった。今は外資系投資会社の傘下にあるという。御堂筋のイチョウの下に座ってこの建物に向かい合ったことを後悔した。実に面倒。

三津寺(大阪市中央区)04.11.21     36×51cm
御堂筋に面した三津寺は昭和8年に御堂筋の拡幅工事により敷地の40%が削られ、当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りのお寺として生まれ変わったという。地下1階、地上3階建てで、全室スチーム暖房や荷物用リフトまで完備した近代建築として話題になったそうだ。この寺の本堂では明治12年に第1回大阪府議会が開かれた歴史もある。三津寺は大阪の人は「みってら」と呼ぶ。絵を描いた場所の正式な町名は心斎橋筋2丁目だが御堂筋三津寺町交差点という方が通りがよい。東西の通りはお寺の名前を取った三津寺筋。

大阪市中央区道頓堀界隈へ
「近畿の旅2」(大阪、和歌山)の目次へ