大阪府

池田(池田市綾羽1、2丁目、新町など

池田は江戸時代に能勢地域と大阪の中継地として栄え、酒造業や金融業が盛んだったそうだ。なかでも「池田の酒」は極上酒として盛んに江戸に運ばれたという。阪急池田駅から北へ、商店街を抜けたあたりの綾羽に古い商家や町並みが多少残っているが、都市化の進展で、まさに風前の灯である。

   
  池田・城山町(大阪府池田市)2017.11.22     F6  
  阪急池田駅ビルにあるギャラリーで浪漫会のH女史の個展が開幕したので、訪問がてらスケッチすることにした。池田市中心部にはまだ描き残した場所があるような気がしていたが、ポイントになる家が建て替えられたりしていて、なかなかその気になる場所が見当たらない。結局以前にも描いた池田城跡公園の下にある古い民家を描くことにした。城跡から下りる階段で描いていると、やって来た人が時々、目の前にある小さな建物の前で深々とお辞儀をする。スケッチ後に確認したら、お地蔵さんを祀った祠が二つ並んでいた。  
 
 
   
  池田・西光寺あたり(池田市西本町、綾羽2丁目)2017.11.22     F6  
  池田市内中心部でスケッチポイントを探してウロウロしたが、いいなと思うのはすでに描いている所ばかり。何カ所かあるお寺のうち西光寺付近へやってくると、ここはまだ描いたことがなく、手前によく手入れされた古い建物もあるので、道端に座って描くことにした。お寺の境内にある桜の紅葉が綺麗だった。  
 
 
   
  池田・「呉春」あたり(池田市綾羽1丁目)2017.11.22     F6  
  池田市で有名な酒蔵が「呉春」。過去にもこの辺りで何回か描いている。正面の山の紅葉が綺麗だったので、酒蔵とバックの五月山を組み合わせて、おまけにもう1枚。ただ途中から小雨が降り出たのでし、残念ながら未完成のまま、スケッチブックを閉じた。  
 
 
池田城下の路地(池田市城山町)2013.12.07          F6
池田駅ビル内のギャラリーで開かれていた個展を訪問、寒い日だったが、せっかく遠くまで来たのだからと1枚描いて帰ることにした。13年7月の悠彩会スケッチ会で池田城跡公園の展望台から下の絵を描いた帰り、展望台から下りる坂道で、ちょっと気になるポイントがあったのを思い出した。目の前の道は狭い路地なのだが、城跡公園へ上り下りする人でけっこう人通りが多い。足場は悪く、体も冷えてきたが、時々、雲の切れ間から西日が差し、ほっとした。

池田城跡から(池田市)2013.07.27        36×51cm
7月度の悠彩会スケッチ会が池田市の中心部で開かれた。何しろ暑い時期なので日陰最優先。池田城跡公園内に造られた天守閣のように見える展望休憩舎へ行ってみると内部でのスケッチもOKのようだし、窓ガラスもなく風通しが極めてよい。目の下に「呉春酒造」の黒壁の建物が見えたので、涼しさにわくわくしながらスケッチした。

「呉春」付近(池田市栄本町)2013.07.27        F6
「呉春」の酒蔵周辺は人気のスケッチポイントで、今回のスケッチ会でもこの付近で描かれた仲間が多かった。城跡公園からこの酒蔵あたりの俯瞰を描いた後、狭い道の奥に酒蔵の入り口が見える場所へやってくると、ひまつぶしさんが描いておられる。朝通ったときには日陰がなかったが、うまく日陰ができている。昼食会までに少し時間があるので、氏が描いていた場所を譲ってもらい、急いでスケッチした。

「稲束家住宅」付近(池田市綾羽1丁目)2013.07.27        F6 
昼食会後、もう1枚どこかで描こうと周辺を歩き回ったが、午後の日差しは強烈で、適当な場所が見つからない。綾羽1丁目の旧街道に面した登録有形文化財「稲束家住宅」付近へ行ってみると、幸い日陰で描ける。家の前の説明板によると、稲束家は麹問屋や酒造業を営み、1700年代の中ごろに建てられた建物は江戸時代の商家の典型的な様式。同家には、松村月渓(呉春)、頼山陽、河東碧梧桐や小林一三などの近世・近代の文化人が頻繁に訪れ、また板垣退助が宿とするなど、この地の文化サロンの役割を担っていたという。

新町(池田市)2012.10.31        F6
05年に続き、街道画家Eさんの個展訪問に合わせて阪急池田駅周辺でスケッチした。とりあえず国道173号沿いの新町へ。この国道は昔は丹州街道あるいは能勢街道と呼ばれる街道だったので、沿道には古い町家も残っている。道の向かい側からでは構図が単純なので歩道から家を見上げるアングルを選んだ。すぐそばを大型トラックが風を巻き上げながら通り過ぎる。巻き込まれないか冷や冷やしながらスケッチした。

綾羽C(池田市)2012.10.31        F6
2枚目は個展会場でEさんに教えてもらったポイントで描いた。Eさんによると、1枚目を描いた場所のすぐ近く、綾羽2丁目に本養寺というお寺があり、その周辺に生活感あふれる路地があるという。「住んでおられる方の生活を覗き込むようで、スケッチするには少し気が引けるが…」とのことだったが、確かに地元を熟知していないとたどり着けないポイントである。

綾羽D(池田市)2012.10.31        F6
本養寺付近で描いた後、同じ綾羽2丁目でスケッチポイントを探した。山手にある五月山公園の入り口の坂道風景が面白いと思い、道端に椅子を置いた。以前このあたりで、古い町屋が何軒か連続した家並み(綾羽B)を描いたことがあり、周辺を歩いてみたがその場所に行き当たらなかった。多分取り壊されたのだと思う。かつて池田にあり、今は愛知県の明治村に移築されている芝居小屋・呉服座が再現されていることをEさんに教えてもらったが、マンションの1階を改造したものだったため、スケッチは見送った。

綾羽E(池田市)2012.10.31        F6
五月山公園から池田駅に帰る途中でもう1枚描きたいと思ったが、ポイントが見つからない。結局、以前にも描いたことがある清酒「呉春」の酒蔵の裏側を選んだ。

綾羽A(池田市)05.11.02 36×51cm
阪急池田駅ビルで開かれている街道画家Eさんの個展にお伺いしたついでに池田市綾羽でスケッチした。「呉春」で知られる酒蔵の黒トタン壁とツタの秋色の対比が面白い。地元に詳しいEさんによると、以前は手前の駐車場になっているところにも古い家があり酒蔵も白漆喰壁で、とても風情のある路地だったという。しかし今でも池田有数のスケッチポイントらしく、この場所に行くと10人近いご婦人がずらっと並んでスケッチしていた。

綾羽B(池田市)05.11.02 36×51cm
時間があったので、2枚目としてかつての能勢街道沿いの町並みを描いた。阪急池田駅前から商店街を抜け、「呉春」の前を通ってさらに北へ行ったあたりである。途中に登録文化財の立派な町屋もあったが、町並みと言えるのはこの場所だけ。しかし以前は米屋さんだったらしい手前のお宅も、今はたまに選挙事務所として使われるだけのようである。

綾羽@(池田市)93・04・17 F8
「呉春」を93年に描いたものである。池田の酒は江戸時代中期が最盛期だったそうで、その辛口の味が江戸で大いに好まれ、灘や西宮の酒どころをしのいでいた。しかし30数軒もあったといわれる酒蔵も今ではこの1軒ともう1軒が目立つだけ。

同行していたFさんが「向こうに面白い建物がある」という。176号線に面して、確かに変わった形の屋根を持つ建物があった。右半分が削られたものだろう。



西本町(池田市)93・04・17 F8

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