熊本県  
 
 
   熊本城(熊本市中央区)  
 
 
  熊本のシンボルでもある熊本城は2016年4月に発生した熊本地震で甚大な被害を受けた。高校の修学旅行で訪ねたのが最初だが、その後、仕事で熊本を訪れた時にもたびたび目にした。復旧工事が進んでおり、天守閣は2019年に元の姿に戻るが、お城全体の復元工事が終わるのは2037年になるという。2017年の「いらかぐみ」オフ会が熊本県・日奈久温泉で開かれた。せっかく熊本まで行くのだから、熊本地震の被害からの復旧工事を急いでいる熊本城の今の姿をスケッチで記録することにした。せめてもの応援の気持ちである。  
 
 
   
   がんばれ熊本二の丸広場から熊本城(熊本市中央区)17.06.10       F6      
  天守閣を中心とした大部分のエリアは立ち入り禁止だが、周辺からある程度見物ができることをあらかじめ調べて出かけた。お城の入り口に立っておられたボランティアガイドのアドバイスに従い、とりあえず大小天守と宇土櫓が並んで見える「二の丸広場」へ行った。広場には元々建物がなかったので被害はなく、家族連れなどが思い思いに時間を過ごしている。日射しを避けるため、大きく枝を広げた楠の根元に座ってまず1枚。目の前の崩れた石垣が痛々しい。  
 
 
   
  がんばれ熊本加藤神社から熊本城(熊本市中央区)17.06.10       36×51㎝  
 
ボランティアガイドの人によれば、お城の北側にある加藤神社の境内がベストスケッチポイントだという。さっそく行って、神社の入り口に座ると、正面に国の重文に指定されている宇土櫓がそびえ、その背後に復旧工事中の天守閣が見える。しかし残念ながら日陰がない。10メートルほど後ろには深い木陰があるのだが、そこは立ち入り禁止区域。やむなく炎天下でのスケッチとなった。お城の建物はもともとスケッチが面倒である。細かく描かねば良いのだが、きっちり描かないと気が済まない性分。というわけで、この1枚ですっかり疲れた。


           宇土櫓は一見すると被害がなかったように見える。しかし、被災前の写真と比べると,右側に続く建物のすべてがなくなっている。→→
 
 
 
 
がんばれ熊本熊本城戌亥櫓(熊本市中央区)17.06.10       F6 



「二の丸広場」から「加藤神社」へ向かう途中、壕を隔てて「戌亥櫓」が見えた。石垣は大きく崩れているが、残った部分の上にけなげに建物が建っている。壕の手前はちょうど木陰になっていて涼しそうなので、スケッチに加えた。ここも櫓の向こう側に連なっていた長い塀が壕の中に無残に崩れ落ちていた
 
 
 
     
   がんばれ熊本熊本市役所から熊本城(熊本市中央区)17.06.10       36×51㎝     
  熊本城の入り口におられたボランティアガイドの方は極めて的確にスケッチポイントを教えてくれた。その一つが熊本市役所の14階にある展望ロビーだった。土曜日でも建物横のエレベーターを使えば入室でき、レストランが営業しているので冷房完備だという。なるほど、ほとんど人が来ず、スケッチ環境抜群。お城の全景が見渡せる。できるだけ早い修復工事の完成を願いながら、被災後1年2ヵ月後の熊本城スケッチを締めくくった。  
 
 
   熊本市新町へ  
   「九州・沖縄の旅」のページへ