熊本県

熊本県には何回出かけたことか。いろんな顔を持つ熊本だが、やはり阿蘇の雄大な風景が一番記憶に残っている。その気になって高岳の頂上に立ったこともある。しかし残念ながら阿蘇を描いた絵は1枚もない。

人吉(人吉市)

人吉市は球磨川沿いに開けた静かな城下町で、市街地に22軒もの源泉の違う公衆温泉がある。そのうちの一つ「新温泉」は名前こそ新だが、建物は昭和初期のもので、貫目表示の体重計が現役で働いていた。窓ガラスのゆがみにも古さを感じる。
 
 
人吉温泉・新温泉(人吉市)99・05・30 F8
宿は時刻表の一覧表から「木造」だけを頼りに予約した。しかしその「人吉旅館」は大当たりだった。古い建物だが廊下は顔が映るほどに磨き上げてある。入り口の白砂には人が出入するたびにきれいに箒目がつけられる。窓の外は球磨川のとうとうとした流れ。料理も手が込んでいて、もちろん料金はお手軽。久しぶりにいい宿に泊まったとの思いがした。
夜、宿からわざわざこの新温泉に入りに来た。ほかに客のいない浴槽で思いっきり体を伸ばした。翌朝、朝日を浴びながらその建物を絵にした。伸びやかな屋根の線が印象的だった。

町並み探訪という視点でみると、人吉は期待はずれだった。仕方なく城跡でスケッチブックを広げた。
人吉城(人吉市)  99・05・29 F8

おまけ
30日朝のスケッチはすぐ終わった。幸い抜けるような青空。「せっかくだから霧島まで足を延ばそうか」ということになった。「ここまで来たら大浪池が見たい」。大浪池へ登ると正面の韓国岳が手近かに見える。というわけで、だんだんエスカレート、ついに韓国岳の頂上(海抜1700b)まで登ってしまった。新燃岳、高千穂峰をバックにパチリ。
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