熊本県  
 
 
   日奈久温泉(八代市日奈久)  
 
 
  日奈久温泉は八代市の南部、八代海に面した海岸部にあり、温泉街を薩摩街道が通り抜けている。温泉の歴史は古く、江戸時代には熊本藩の藩営温泉として賑わったそうで、3階建ての旅館の建物が数多く残るなど、かつての繁栄ぶりを感じる場所が各所にある。しかし残念ながら町全体が賑わいを忘れたように静まりかえっていた。  
 
 
   
   「柳屋旅館」付近(八代市日奈久)17.06.10       F6  
  「いらかぐみ」の第15回オフ会が、日奈久温泉の柳屋旅館を会場に開かれた。熊本市でスケッチ後、鹿児島本線と肥薩おれんじ鉄道を乗り継いで、日奈久温泉駅まで行った。柳屋旅館は日奈久でも1、2を争う古さだそうで、内装の凝った細工に歴史を感じた。宴会を終わった翌朝はかなり激しく雨が降っていたが、出発時間になると嘘のように晴れ上がった。皆さんはまた南へ北へと散らばっていかれたが、私は居残りでとりあえず泊まった旅館に焦点を当てて1枚。オフ会の様子はこちら。  
 
 
   
   旧薩摩街道(八代市日奈久)17.06.10       F6   
  日奈久の温泉街を薩摩街道の旧道が貫いている。昔、薩摩の殿様の参勤交代行列も通ったという街道で、狭い道の両側には旅館や商店などが軒を連ねている。その中に見事な「なまこ壁」を巡らせたお宅があった。日奈久を代表する町並みと思い、街道風景と合わせてスケッチした。この地方のなまこ壁は、黒い瓦の部分が6角形になっており、見た目には感じが良いが、描くのは面倒。まあ急ぐ旅でもないので、丁寧に描いた。正面に「ヒナグみそ」との看板を掲げた店が見える。オリジナルの味噌までがあることは、この町がかつていかに賑わっていたかを物語る証拠であろう。  
 
 
   
   「金波楼」付近(八代市日奈久)17.06.10       F6   
 
日奈久温泉を代表する旅館が「金波楼」で、木造3階建ての建物は登録文化財になっている。その前がぽっかり空き地になっていて、旅館の建物の全容がよく分かるので、温泉街を通過する国道3号線から描いた。温泉街の案内マップでは空き地の左側の狭い道が「白壁通り」となっていたから、少し前まではこの空き地に白壁の建物が並んでいたらしい。旅館の前で子どもたちが遊んでいる。2009年にリニューアル・オープンしたという温泉センター「ばんぺい湯」の周辺以外は人通りもなくひっそりしていたので、子どもたちの歓声に少しホッとする思いがして、しっかり描き込んだ。



            「いらかぐみ」の野村万訪さんが、09年に「白壁通り」の写真を撮っておられました。さすが。→→
 
 
 
   山鹿市へ  
   「九州・沖縄の旅」のページへ