香川県  
 
 
  金毘羅さん付近(琴平町)  
 
 
  四国のすべての道は琴平に通じると言われる。古くから金毘羅さんのお参りのために全国から多くの人が集まったが、特に江戸時代に金毘羅参りが盛んになるのに伴い「金毘羅五街道」が整備された。明治以降、鉄道も国鉄のほか私鉄の3路線が琴平へ乗り入れた。琴平の町は人口はそう多くないものの、かつての繁栄ぶりを物語る材料がたくさんある。  
 
 
   
  金毘羅さん参道の「虎屋」(琴平町)2019.05.15   36×51㎝  
 
所用で香川県へ出かけたついでに金毘羅さん(金刀比羅宮)へ行った。金毘羅さんへは以前、長い石段を登ってお参りし、バテた経験があるため、今回はFさんに”代参”をお願いし、私は麓でスケッチすることにした。椅子を置いたのは、石段を登るためのかご屋が待機している場所。目の前に元旅館でうどん屋「虎屋」の風格ある建物が建っている。400年近い歴史を誇る老舗旅館で、かつては皇室御用達だったそうだが、昭和50年代に旅館業をやめたという。さて、代参のFさんは本宮まで785段、さらに奥宮まで583段、計1368段もの石段を登り、きっちりお参りしてきたという。確か同い年のはずだが元気なこと。




スケッチ後、「虎屋」の伝統的な雰囲気の店で、名物の讃岐うどんを食べたが、ぶっかけうどん500円と値段はリーズナブルで、味も良かった→
 
 
 
   
  金毘羅さん参道②(琴平町)2019.05.15   F6  
  金毘羅さんの参道らしい絵を描きたいと、785段は無理でも少しは石段を登ってみようと思った。下から30段ほどのところで、ちょっと感じのよい場所があったので「ここでいいか」と妥協した。ちょうど讃岐一刀彫宗家「山中象堂」という店の前であった。金毘羅さんは2度目で、前回、参道沿いにある造り酒屋の建物も描いている。しかし、気に入らず、未着色のままどこかに放置されているはずである。  
 
 
   
  旧金毘羅大芝居「金丸座」(琴平町)2019.05.15   F6  
  金毘羅さんにお参りしているFさんに電話すると「今、奥宮にいる」とのこと。まだかなり時間がありそうなので、旧金毘羅大芝居「金丸座」を描くことにした。ウィキペディアによると、現存する芝居小屋としては日本最古で、国の重要文化財に指定されている。1835(天保5)年に棟上げされ、その後、廃屋同然になっていたが、1972(昭和47)年から現在地で移築復元工事を行い、1976(昭和51)年に竣工したという。  
 
 
   
  鞘橋(琴平町)2019.05.15   F6  
  琴平の町中を流れている金倉川に架かる「鞘(さや)橋」を描いた。屋根付きの珍しい形をしている橋だが、使われるのは金毘羅さんの神事の時だけで、普段は渡れない。平凡な主婦と中年のカメラマンの恋を描き大ヒットした1995年のアメリカ映画「マディソン郡の橋」に登場する橋みたいで面白いかなと思って描き始めた。しかし、そんな魅力的なご婦人が現われるわけはないし、橋も単調で、少しも面白くない絵になってしまった。正面からもう1枚描いたが、これも不出来で、さすがにボツ。  
 
 
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