| この絵は実は私が電柱に目覚めた最初の絵である。さすがにこれほど正面から描くことはないが、これ以降、風景の中の電柱を大事にしている。むしろ電柱のある景色を探すこともある。町並みの絵はいつも同じような構図になりがちなため、電柱をアクセントに使う場合が多いが、電柱や電線に何となくそこに住んでいる人たちの生活を感じることがある。電柱を取り去って、すっきりした「美人の町並み」より、電柱や電線があって生活感のある「不美人だが親しみのある町並み」の方に魅力を感じる、というのが一番の理由であろう。電柱ってよく見るとなかなか面白い表情をしている。 |