広島県

鞆の浦(福山市)

03年10月、長い間あこがれていた鞆の浦へ出かけた。気候良し、天候良しとあって、早起きして山陽道を走りに走った。まだ朝の雰囲気が残るうちに福山市街を抜けた。

鞆の浦1(福山市)03・10・19 アルシュ36×51cm
かつて潮待ち・風待ちの港として栄えた鞆は、風光明媚な自然と歴史的遺産とがそのまま現在まで受け継がれている珍しい町である。海際まで古い民家が迫り、山側には意外なほど多くのお寺があった。この絵は防波堤の突端から町並みの広がりを描いたものだが、背後から吹く海風が心地良かった。

鞆の浦2(福山市)03・10・18 モンバルキャンソンF8
この町のシンボルとなっている常夜灯と雁木(階段状の船着場)が残る港の裏側に「鞆七卿落遺跡」と呼ばれている町並みがあった。通りにはギャラリーが2軒あって、スケッチを展示していた人がスケッチポイントをいろいろ教えてくれた。町には絵を描く人の姿も目立つ。岡の上の歴史民俗資料館では、浮世絵から現代の作品まで、鞆の浦を題材とした絵画などを集めた特別展が開かれていた。絵による町興しなんていうのは理想的な姿であろう。

渡船で5分の無人島にある国民宿舎「仙酔島」に泊った。名前と料金だけは国民宿舎だが、とくに料理は天下一品。つい連泊を決めたが、2晩目の料理も期待を裏切らなかった。日本で初の民間運営委託方式の国民宿舎だという。
この渡船には片道切符がない。

鞆の浦3(福山市)03・10・18 アルシュ36×51cm
正面の白壁が「いろは丸館」、左手に常夜灯があり、右手の大きな屋根が重文指定の太田家。海越しに見る鞆の浦の代表的な風景である。

鞆の浦4(福山市)03・10・19 モンバルキャンソンF8
町を歩くと名物の「保命酒」の酒蔵をはじめ重厚な建物が数多くあり、絵にしたい魅力的な路地もたくさんあった。「鞆の津の商家」との説明版がある家を描いた。元魚網商だったという。

19日、広島在住のAさんに教えてもらった内海町に出かけた。鞆の浦から海沿いに10`足らずの西にあり、今は福山市の一部になっている(02年10月に合併)が、橋でつながった田島と横島という二つの島からなる町である。本土とも内海大橋という立派な橋でつながっている。二つの島のつなぎ目あたりに、かつて遠洋漁業で栄えたという古い町並みがあった。絵は田島の旧役場近くで見つけた民家。


田島(福山市)03・10・19 F4

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