滋賀県

観音寺(栗東市)

栗東市南部の信楽へ抜ける道筋の山中に「観音寺」というとても魅力的なスケッチポイントがあると、大津市在住のMさんから教えてもらった。家並みが魅力的なだけでなく、この村からの琵琶湖の遠望が素晴らしいのだという。

   
  観音寺1710−1(栗東市)2017.10.10     36×51p   
  多くの知人が出展しているグーループ展が、滋賀県大津市のギャラリー唐橋で開催中のため、その訪問を兼ねて、栗東市の観音寺へ行った。この集落は湖東では珍しく琵琶湖の展望がきく場所として知られているが、前回よりはましとはいうものの、やはりあまりよく見えない。畑作業にやって来た近所の人も「今日は残念ですね」と慰めてくれた。6年前の下の絵と比べてみると目の前の家並みのうち左手前の1軒が取り壊されて空き地となり、その代わりに右側の田んぼに背の高い獣避けフェンスができていた。  
 
 
   
  観音寺1710−2(栗東市)2017.10.10     36×51p  
 
観音寺集落の中を歩いてみたが、描きたくなるポイントはやはり琵琶湖が見えるこの場所しかない。というわけで、前回にならい、手前の家並みを少しアップして2枚目を描いた.



椅子を置いたポイントは観音寺というお寺の入り口。今回もお寺へのお参りはパスしたが、裏手へ回ってみると、滝が落ちる行場があった。→→。



 
 
 
観音寺@(栗東市)11.11.29     36×51cm
11月の暖かそうな日、今年のラストチャンスと思い、観音寺地区を訪問した。地区の一番高いところにある「観音寺」というお寺の門前に座ると、目の前の屋根の重なりが面白い。ただ、残念ながらこの日はほとんど遠望が利かない。薄ぼんやり見える風景に、多分に想像を加えながら描いた。帰宅後にネットで確かめると、想像で描いた遠景は多少間違っていたようである。

観音寺A(栗東市)11.11.29     F6
午後になれば霧が晴れ、観音寺から琵琶湖の遠望も回復するかと期待した。それまでの時間を有効に活用するため、他の場所でもう1枚描くことにした。集落内を少し歩いてみたが、やはり最初に描いた坂道がベストポイントなので、その坂道を下から見上げた構図で描いてみた。こんな狭くて急な坂だが、軽自動車は楽々と通り過ぎていく。

観音寺B(栗東市)11.11.29     36×51cm
午後になったが、霧は晴れず、琵琶湖はぼんやりと霞んだまま。かすかに比良山系の稜線が見えるだけ。このため琵琶湖の遠望を描くのはあきらめて、目の前の素晴らしい家並みに重点を置いてもう1枚描くことにした。描いていると大型バス1台分のどこかの役所の団体がスーツ姿でどやどやとやってきた。聞けば「研修」だという。何の研修なのかは聞くのを忘れたが、まさかこの素晴らしい家並みの見物や琵琶湖の遠望を目的に来られたのではないと思う。

観音寺C(栗東市)11.11.29     36×51cm 
この絵は帰りに道端に車を止め、集落を振り返って描いたものなのだが、うねうねとした山道を登って行き、最初に目にした観音寺集落は、こんな印象であった。背景の山は今を盛りの紅葉。村の入り口に大きな2本の石柱が建っていた。石柱には「八紘一宇」の文字が見えたが、要は集落全体が一種の「結界」なのであろう。田んぼの畦に建つ季節外れの吹き流しがとても印象に残った。

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