佐賀県

じょうご造り(川副町)

佐賀の人は「佐賀にはなぁんもなか」と自虐的によく言う。実は非常に多様性に富んだ県でいろんな魅力的なものがある。なかでも「じょうご造り」や「くど造り」の民家などはその形の珍しさで全国屈指だと思うが、昔から見慣れている地元の人にとってはそんなに関心のある存在ではないらしい。「じょうご造り」が残っているといわれる川副町に行き、探し当てて「山口家」という重文民家にたどり着いたが、絵にならない。ようやく役場近くの大井道で生活感のあるじょうご造り住宅を見つけた。
じょうご造りの家(川副町)96・07 F8
広々とした田んぼが広がるばかりで「なぁんもなか」のはずの川副町に、98年7月、佐賀空港ができた。空港見物を兼ねて再びこの場所を訪ねたら、この絵にある家すべてが見事に取り壊され、立派なプレハブ住宅に建て替わっていた。それこそなぁんもなくなった。

【じょうご造りについて】屋根を上から見ると瓶に醤油などを注ぐ「じょうご」のようになっているところから、こう呼ばれる。上の絵の左側の家が多分じょうご造り。当然、降ってきた雨が屋根の中央に集まるから雨じまいが大変。太い瓦製の樋で一箇所から外へ引き出す。横から見ると単なる台形の草葺屋根にしか見えず、「山口家」も絵にならなかった。

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