大阪府

菅原町(大阪市北区)

菅原町は天神橋北詰にある狭い町だが、堂島川の北岸という地の利があるため、近世から乾物問屋多く立地していたという。しかも戦災を免れたため、都心近くなのに土蔵を備えた古い建物が多く残っている。高速道路が町を縦断、周辺には高層ビルも林立しているが、ちょっと懐かしさを感じる異空間である。

   
  菅原町2006−1(大阪市北区)2020.06.27    F6      
  悠彩会のスケッチ会は中之島バラ公園の木陰での昼食会が終わると流れ解散になった。まだ2時過ぎのため、すぐそばの天神橋の北詰にある菅原町へ行った。菅原町はかつて乾物問屋街として栄えた歴史があり、周辺のビル街に囲まれるようにして何となしに古い雰囲気がある町並みが残っていた。2012年4月にここを訪問、その時に一番気に入って描いた土壁の倉庫がある路地(↓の菅原町A)は建物の取り壊しが進みつつあり、絵にならなかった。このためこの倉庫を遠目に見る表通りで1枚描いた。  
 
 
   
  菅原町2006−2(大阪市北区)2020.06.27    F6  
  菅原町を見下ろす恰好で阪神高速道路が走っている。その橋桁に隠れるようにして、乾物卸商・北村商店の現役倉庫が建っている。昔の乾物問屋街の名残である。もう1棟ある北村商店の倉庫の前から描いた。  
 
 
菅原町@(大阪市北区)2012.04.08     36×51cm
この日は大阪駅近くの茶屋町で開かれていたグループ展の訪問ついでに大阪市内でスケッチした。京阪電車の天満橋駅で降り、大川畔の桜でも描こうかと思ったが、晴天の日曜日とあって、あまりの人出に恐れをなした。このため天神橋を渡り菅原町へ行ってみた。実はこの町へは初めて足を踏み入れたのだが、予想以上に風情のある町並みにうれしくなった。右手前、工場か倉庫に使われている建物も本瓦葺きであった。

菅原町A(大阪市北区)2012.04.08     F6
乾物問屋街・菅原町の主役はこの土蔵である。幅広のどっしりとした構えで、白漆喰壁が少しだけ残っているところがいかにも絵心をくすぐる。この土蔵も各種乾物の卸売りをやっておられる「後藤商店」のもので、その北側に白壁の住居、さらに北側に店舗の建物が並ぶ。周辺はすっかり高層ビル街になっており、地価の高い場所だけに投資効率を考えるといつまでこの姿が保たれるのか、疑問ではある。

菅原町B(大阪市北区)2012.04.08     F6
菅原町でもう1軒目につくのがこの建物。周辺にはレストランなどに利用されている建物も多いが、この建物は乾物卸・北村商店の現役の倉庫のようである。昔は川沿い、運河沿いに建っていたのだろうが、今は頭の上みたいなところを阪神高速道路が通っている。

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