大阪府

長尾(枚方市)

「長尾」は江戸時代に大坂町奉行だった旗本・久貝正俊氏の領地だった。久貝氏が天満青物市場の基盤を整備したのが縁で長尾は藤阪とともに「青物類自由売捌」の特権を持っていたそうだ(平凡社・大阪府の地名U)。長尾駅前の長尾元町には京都府境の洞ヶ峠へ通じる狭い旧街道(山根街道)が延々と続いており、この道に沿って数多くの古い民家が残っている。

長尾2(枚方市)05.05.04 36×51cm   ●
一番下の絵を描いたのは10年以上前。当時、見事な大和棟造に感心しながら描いた。改めて同じ場所を訪ねると、全く同じ姿で残っていたので、少し離れた場所からスケッチした。この道が山根街道。電柱の影で車から身を守りながらのスケッチ。「気をつけてね」というのが通りがかりの人のアドバイスだった。

長尾3(枚方市)05.05.04 36×51cm
暑かったが、さらに2枚目を描こうかと周辺を歩くとまた大和棟造があった。小ぶりでトタンをかぶせているが、今度は広々とした日陰で描けるのを幸い、ここを選んだ。タバコの看板の赤がポイントになっている。

このころも、ある事情があって、枚方・交野を集中的にスケッチしていた。古い町並みが残っていそうな長尾に行き、大和棟造のお宅を見つけてうれしくなった。





長尾1(枚方市)94・10・08 F8

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