大阪府

木津川筋(大阪市大正区、住之江区)

大阪市大正区と西成区、住之江区の間を流れる木津川の沿岸は「木津川筋」と呼ばれ、大阪を代表する重厚長大型の工場地帯である。とくにかつては中堅造船所が集中していることで知られていた。一度、大阪湾岸の工場地帯を描きたいと思っていたが、大阪湾岸は工場敷地や防潮堤が連なり、対岸をスケッチできる場所が少ない。しかし、06年6月に開かれた悠彩会スケッチ会のお陰で珍しい景色が描けた。この場所を探し出してきた幹事に感謝している。

木津川筋1(大阪市大正区、住之江区)06.06.10 36×51cm
スケッチ会会場は住之江区にある名村造船所の跡地。ここにあった造船所は1970年代に九州に移転しており、今は土地管理会社がイベントなどに使用している。このためもちろんスケッチにも許可が要る。敷地内からは対岸の大正区にある中山製鋼所の工場の様子が手に取るように見える。複雑な工場の様子にてこずりながら描いた1枚目がこの絵である。

こちら側が住之江区、川の向こう側が大正区。木津川は大きな船も通るため上流側の千本松大橋、下流側の新木津川大橋とも橋の両端をループ状にして水面からの高さを確保している。渡船もまだ残っている。

(スケッチ会幹事のNさんにシャッターを押してもらった)

木津川筋2(大阪市大正区、住之江区)06.06.10 36×51cm
川向こうの工場は鋼材などをつくっている。そびえ立つクレーンが時々大きく動き、煙突から突然煙が噴き出したり、溶けた鉄が放つ光のかたまりが走ることもあった。そんな工場の様子を描きたくて、2枚目はちょっとアップの構図とした。昼食にビールを少し飲みすぎたが、午後は曇りがちになって、それほど暑くもない。付近で仲間が思い思いの構図や色調でスケッチしている。ちょっと覗いてみて他人の絵を参考にするのもスケッチ会ならではの楽しみである。

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