大阪府

私部(交野市)

交野は「かたの」と読む。中心集落の「私部」(きさべ)も地元の人以外はなかなか読みにくい地名である。ハイキングコースとして有名な「私市」(きさいち)も読みにくい。いずれも飛鳥時代以来の由緒ある地名である。そんな交野市に住んでもう40年以上になる。交野市役所や京阪電車交野市駅に近い私部地区にはけっこう雰囲気のある町並みが残っている。

   
  サクラの小路(交野市私部1丁目)21.04.01  F6  
  浪漫会のスケッチ会が交野市の市役所周辺を会場に開かれた。この絵はメンバーのFさんが描かれていた場所を追っかけで描いたもの。地元だけにこの辺りのスケッチポイントは熟知しているはずだったが、他人の目を通してみると新しい発見があるものだ。場所を移動中にFさんの姿を見付けてそばへ行ってみると、サクラの咲く小路の感じが良い。せっかく花が満開の季節にスケッチするのだから、1枚ぐらいはサクラの咲いた絵を描きたかった。でも改めてサクラを描くのは難しいと感じた。  
 
 
   
  レストランJULIA(交野市私部3丁目)21.04.01  F6      
  交野市駅から交野市役所へ向かう途中にレストランJULIAがある。テラス席があるので浪漫会スケッチ会の昼食にどうかなと思ったが、結局は野外での弁当昼食となった。この絵は昼食前に急いで描いた。最後にこの場所へ行ってみると向かいの日陰で皆さんが描いておられるので、並んで座って絵に少し手を入れた。  
 
 
   
   私部O(交野市私部2丁目)2020.01.20   F6  
  大寒なのに気温は3月並みという。スケッチの在庫も切れているので、近場スケッチでもするかと、自転車の前籠にスケッチ道具を放り込んで出かけた。しばらく行っていない倉治地区へでも行くかと思ったが、途中の私部2丁目で土蔵がずらりと並んだポイントに出会い、日当たりも良いので道端に座り込んだ。  
 
 
   
   私部N(交野市私部1丁目)16.11.06     F6   
  「河内を描く美術の会」のスケッチ会の世話役を引き受けた。同会のスケッチ会は春と秋の2回、北河内、中河内、南河内の3カ所持ち回りで開催されており、今回は北河内の番。「それならば」と我田引水で、私にとって好都合な交野市私部に皆さんに来てもらうことにした。あいにくこの日は寒くなり、会員の皆さんにとっては遠くて不便な場所にもかかわらず、18人の参加があった。皆さんをスケッチポイントまで案内した後、私はとりあえず市役所横の路地に焦点を当てて1枚目を描いた。  
 
 
私部M(大阪府交野市)    2015.03.12      36×51p
スケッチの在庫がなくなったため交野市内で描くことにした。3月末の悠彩会スケッチ会の幹事役が回ってきたので、私部地区で開くことにしており、下見・予行演習を兼ねて交野市役所近くの細い道に座った。土塀の向こうに長屋門が並んで建ち、正面にお寺の屋根が見えて、お気に入りのポイントで、同じ場所でのスケッチはもう4回目となる。しかし、好みは十人十色だから、果たして皆さんに気に入ってもらえるかどうか。それよりも、狭い道なので多くの人が並んで座ることができない。

私部L(交野市私部1丁目)2013.01.30        F6
下の絵を描き終わったころ、急に寒くなり、空も曇ってきた。別に遠くへ来たわけでもないので、もう帰ればよいものを、もう1枚描く気になった。「我ながら、物好きだなあ」と思いながら、交野市役所の裏あたり、住吉神社御旅所の近くのポイントを選んだ。何気ない路地風景だが、正面に見える消防ホースの入った赤い箱がアクセントになっている。

私部K(交野市私部1丁目)2013.01.30        F6
私部地区は昔ながらの細い路地が入り組んでいるが、この場所は特に道幅が狭い。一応、公道のようだが、他人様の屋敷内のような雰囲気で、通り抜けるだけでも何だか申し訳ないような気分になる。門の前でスケッチしていると、鉤の手に曲がった道を郵便配達の人と夕刊配達の人が相次いで単車でやってきた。やはりここは公道なのだとほっとした。Jの絵にある路地の突き当りで右向きにスケッチした。

私部J(交野市私部2丁目)10.01.06         F6
2010年の描き初めの2枚目に、私部2丁目の少し坂道になっている場所を選んだ。再開発ににより、このあたりだけ少し道幅が広くなっている。

私部I(交野市私部3丁目)09.05.04         F6
GW中、どこにも出かけなかった。せめて近場で1枚と思い、ポイントを探していると、市役所近くの路地に大きなミカンの木があるのに気がついた。スケッチ中に通りかかったおばあさんが「このミカンの木は面白いでしょう」という。そういわれてみると、ミカンがたわわに実をつけているのはずいぶん季節外れである。

交野市駅前(交野市私部2丁目)08.11.14         36×51cm
交野市駅前を通ると、よく見慣れた風景のはずなのに「いいなあ」と思った。さっそくスケッチ道具を持って引き返した。行きつけのスーパーの向かいにあるサクラが見事に紅葉している。電柱の影に隠れるようにスケッチしていたが、それでも近所の方に見つかり声を掛けられた。やはり近すぎる場所でのスケッチはちょっと気恥ずかしいものである。

私部H(交野市私部1丁目)08.10.27         36×51cm
交野市役所に近い私部1丁目のこのあたりは自動車も通れない狭い路地が入り組んでいて、旧来の家並みの中に新しい住宅も混じる。行き止まりかなと思う道も自転車ならスルッと通り抜けることができ、意外な場所に出てけっこう楽しい。Jの絵と全く同じ場所で右を向いただけのアングルだが、少しの間に道端の植木も秋色が強くなっていた。

住吉神社の大祭(交野市私部1丁目) 08.10.19           36×51cm
秋祭りのシーズンである。私部にある「住吉神社」も10月16日が例大祭で、家々の門に「御神燈」の提灯が掲げられている。日曜日に合わせて19日に山車と神輿が出るらしく、風に乗って笛や太鼓の音も聞こえてくる。法被を着た子供たちが路地を駆け抜けていく。いつも見慣れた町なのに何となく華やいだ雰囲気が漂っていて、もうけものをしたような気分だった。


私部G(交野市私部5丁目)08.05.27         36×51cm
テレビ番組の撮影があるので、どこがよいかなと考え、とりあえず私のお気に入りのこの路地へ行ってみた。「他人の目」で見ると、もう一つの感じがして、別の場所に変更した。

私部F(交野市5丁目)08.04.08           F6
スケッチした近くにはお寺が3軒ある。この狭い道を向こうから軽自動車がやってきた。見るとお坊さんが乗っておられる。絵を示して「このお寺ですか」と聞いたら「いや別の寺」とのことだった。駅への近道なのでいろんな人が通る。ちょうど親子連れが通りかかったので、後ろ姿を点景にいただいた。

私部E(交野市私部3丁目)07.10.30          36×51cm
ちょっとした空き時間を利用してスケッチに。近くに古い町並みがあるのは助かる。絵を覗き込んだ人が「汚い家なのに絵になると立派な町並みに見えますね」という。「ずいぶん失礼な言い方」と思ったら、その人の自宅だったらしい。

私部D(交野市7丁目)06.04.13         36×51cm
雨が続いたので少しの晴れ間を見て気晴らしにスケッチに行った。しかし、途中で雨がぱらつき、かえってストレスがたまりそうだった。交野には立派な長屋門を構えた家が多いが、この造り酒屋の長屋門はとりわけ豪華である。

私部C(交野市私部1丁目)05.05.10          36×51cm    ●05河内展
この道は市役所の横の道。いわばメーンストリートである。交野市内の古い集落内の道は私部に限ったことではないが、とにかく狭い。自動車の主役は軽自動車で、しかもかなりの運転技術を要求される。もちろん私は、こうした道に自動車を乗り入れたことはない。

私部B(交野市私部5丁目)04・08・31        アルシュ36×51cm
市役所の近く、細い道に沿って長屋門を構えた豪勢なお宅が並んでいる。交野市内での私のお気に入りポイントである。この日は台風が接近、市役所のスピーカーから台風情報がひっきりなしに流れていた。

私部A(交野市私部2丁目)00・11・04            F8
95年から5年間福岡で生活した。00年3月に交野に帰って自宅に落ち着くまで8カ月ほど駅に近いマンションに住んだ。引っ越しの日が近づいて、2度と描けないアングルをということで、ベランダから私部の俯瞰を。家々の構えを見ると、河内平野の農家は昔からずいぶん裕福だったことが分かる。

私部@(交野市私部5丁目)94年秋          F8
同じ場所を10年前にスケッチした絵。現在は寺の手前の長屋門が改修されているが、手前の土塀の崩れ方は変わっていない。立ち木は当時も今もあまり正確に描いていないので、比較できない。

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