大阪府

石切神社参道(東大阪市)

石切神社は正式には「石切劔箭(つるぎや)神社」といい、その参道は東京・巣鴨の「とげぬき地蔵」(高岩寺)の参道と並び、”おばちゃん”たちの人気スポットと聞いていた。普通、参道は高いところにある神社などに向かうものが多いが、ここは平地に神社があり、高いところに電車の駅がある。「どこか面白そうな場所はないか」と悩んだ末、初めて生駒山麓にある石切神社の参道へ行ってみたが、確かに不思議な店が並ぶミステリーゾーンだった。

   
   石切神社参道16−1(東大阪市)16.05.22      F6   
  16年5月の悠彩会スケッチ会は東大阪市の石切神社参道で開かれた。暑くて日向では描けない季節になったので、とりあえずの1枚目は電車のガード下から生駒山方面を見上げた構図を選んだ。まだ参道に入る前だが、古い木造洋館を面白いと思った。涼しい風が吹き抜けていかにも快適だった。さらに坂の上には石切神社の「上ノ宮」があって、見晴らしも良いそうだが、そこまで上る元気はなかった。  
 
 
     
   石切神社参道16−2(東大阪市)16.05.22      F6  
  この絵は石切神社参道の一番上の入り口にある店。この前を右手に下っていくとやがて石切神社へ至る。残念ながらシャッターが閉まっていたが、何となしに石切参道商店街らしい雰囲気の建物と思い、スケッチした。左手の高いところを近鉄奈良線の電車が走っている。  
 
 
     
  石切神社参道16−3(東大阪市)16.05.22      F6  
  参道を少し下ったところに「山本商店」という日用雑貨店があり、日影で描くことが出来るので、その店頭風景をこの日の2枚目に選んだ。店頭を眺めると、陶器類から麦わら帽子に箒、お墓の花立てまであり、誰が買うのかなと思うような商品もあった。スケッチしながらご主人と少し話をしたが、この参道に集まる参詣客の層の厚さを反映したような品揃え。向かい側はフクロウ関連の商品を集めた「ピンピンコロリふくろうさん」という変わった名前の店だった。  
 
 
     
   石切神社参道16−4(東大阪市)16.05.22      F6  
  この絵は石切神社参道を下り切り、鳥居の前を行き過ぎてから、神社の方を振り返った構図である。境内の緑がきれいだし、日影で描けるので、Iさんと並んで描いた。  
 
 
石切神社参道・上(東大阪市)10.05.13       F6
神社近くに車を止めて、参道に並ぶ店を冷やかしながら石切駅近くまで上った。参道らしく鳥居があったので、とりあえず1枚。スケッチ中に気がついたが、鳥居の隣に「日本で三番目、石切大佛」というのがあったが、何が「3番目」なのかは結局よく分からなかった。参道で3枚スケッチしたが、一番上で描いたので「上」。(16年5月に行ったときには、この鳥居は撤去されていた)

石切神社参道・中(東大阪市)10.05.13       F6
石切神社参道を下りながらちょうど真ん中あたりで2枚目、「中」を描いた。参道には実に種々雑多な店が並んでいる。どこの参道にもある飲食店やみやげ物店のほか、名物の「ひろうす」(がんもどき)や漬物などの食品店や洋品店もあるが、何より「占い」の店と漢方薬店の多さが目に付いた。スケッチする立場からいえば曲がりくねった坂道というのは格好の材料なのだが、両側の店がまったく遠慮なしに日除けテントを張り出しているため、ポイント探しには案外苦労した。

石切神社参道・下(東大阪市)10.05.13       F6
参道でスケッチポイントを絞り込みきれないまま、神社の鳥居の前まで下りてしまった。振り返ると神社の若葉がとてもきれいなので、これを描いて締めくくりにした。「石切さん」と呼ばれる石切神社は「でんぼ(できもの)の神さん」として信仰を集めている。最も悪質な「でんぼ」は癌なので、最近は癌封じのためのお参りが多いとか。せっかく鳥居の前まで行きながら、トイレを借りただけで、ついお参りするのを忘れて帰った。タバコの本数もいっこうに減らないし、せめて石切さんにすがっておいた方がよかったかなとも思う。

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