大阪府

茨木あちらこちら(茨木市)

大阪府北部に位置する茨木市は市の中央部を東西に横切る西国街道によって栄え、現在でも交通の要衝である。南北に長い市域の北半分は丹波高原につながる丘陵地、南半分は工場や住宅が密集する典型的な衛星都市である。
 
 
   
  下音羽(茨木市)16.11.13     36×51p  
  茨木市北西部の山間部に絵になりそうな農山村が点在している。そんな一つ車作でスケッチ後、さらに山の上に向かう道へ車を乗り入れてみた。途中に第二名神道路の大規模な工事現場があり、小学校がある忍頂寺地区を過ぎてしばらく行くと、下音羽地区の交差点へ出た。海抜も高いので紅葉のずいぶん進んでいる。帰宅後に調べると、この近くには隠れキリシタンの遺跡もあるそうで、1955年に茨木市と合併するまでは、車作から忍頂寺、下音羽などを含めた広い地域が見山村だったそうだ。今は郵便局や駐在所に見山の地名が残っている。  

鮎川交差点(茨木市)2012.10.29        F6
茨木市から枚方市へ向かう府道139号線を走ると「鮎川交差点」の正面に農業倉庫のような建物が見え、以前から気になっていた。周辺はすっかり都市化しているが、農村地帯だった時の名残で、集落ごとに設けられた「郷蔵」ではないかと思う。高槻市唐崎の「段蔵」を描いた後「今日は蔵シリーズスケッチにしよう」と思い、この場所へ移動した。通りがかりの人が「こんなところでスケッチですか」との感想を漏らした。

上泉町(茨木市)05.09.03 36×51cm
05年9月3日から4日にかけて、町並み探訪グループ「いらかぐみ」のメンバーが茨木市に集まった。淀川を渡るだけの1泊旅行である。この記念に、茨木市内に残っている古い町並みを描くことにした。上泉町にはかつて造り酒屋を核にした魅力的な町並みがあったらしいが、現地に行ってみるとあたりはすっかりマンションや新築住宅に建て替わっている。仕方なくその近くでポイントを探した。この場所も少し前までは古い町屋が並んでいたようだ。







茨木はメンバーの一人・七ちょめさんの地元である。一夜の宿を提供してもらったうえ、現場まで案内してもらった。さらに記念撮影まで。お世話になった。

郡山宿・椿の本陣A(茨木市宿川原町)05.09.04        A3
翌4日はメンバーとともに、茨木市宿川原町にある旧西国街道郡山宿の本陣を訪ねた。御成門のそばに椿の大木があったことから「椿の本陣」と呼ばれている。5人以上で予約すれば内部も見学できる。宿には宿帳などの古文書類が3万点も残されているといい、今もここで生活されているご主人の丁寧な説明に、何だか古い時代に戻った気分になった。

同じ椿の本陣を93年にスケッチしたもの。
京都と西宮を結んでいた西国街道には山崎(島本町)、芥川(高槻市)、郡山(茨木市)、瀬川(箕面市)、昆陽(伊丹市)の5宿があり、郡山宿はちょうど中間にあった。
椿の本陣@(茨木市宿川原町)
93・05・29        F8

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