大阪府

穂谷(枚方市)

枚方市の穂谷地区は市内では珍しく「山村」の雰囲気を感じさせる。地区の入り口には関西外国語大学のキャンパスが広がっているが、その奥には生駒山脈の北端の山ひだに抱かれて、豊かそうな家々がひっそりと佇んでいる。私のとってはいろんな季節に手軽に出かけられるお気に入りポイントである。この地方では江戸時代からそうめん作りが盛んだったそうだが、穂谷では今でもそうめんを作っている家があるという。

   
  穂谷の春(枚方市)21.04.10  36×51p   
  あまりにも良い天気に、Fさんは「どこかドライブにでも出かけたいね」という。ドライブというには少し近すぎるが、スケッチも兼ねて穂谷へ行った。途中で弁当を買って、陽だまりで食べた。暑くもなく寒くもなく、一年で一番気持ちの良い季節である。  
 
 
   
  穂谷の春A(枚方市)21.04.10  F6  
  穂谷の集落の真ん中に大きな池がある。周辺は公園のように整備され憩いの場になっている。通りかかると水面に家並みが映って魅力的なのでスケッチすることにした。水面には睡蓮の葉っぱが浮いている。「もうすぐ睡蓮の花が咲く」とFさん。その気になって描き込んだが、モネのようにうまくいかなかった。  
 
 
   
  穂谷の梅(枚方市穂谷)2020.02.24  F6   
  新型コロナウイルス禍で世界中が混乱、いろんなイベントも中止に追い込まれているが、「天気がよいので、気晴らしに・・・」という声に背中を押され、久しぶりに枚方市の穂谷へ行った。風は多少冷たいが、ウイルスなどどこにもいそうにない綺麗な空気がうまい。馴染みのある狭い坂道を上っていくと、路傍に見事な梅の木があった。暖冬のせいもあって今を盛りと咲き誇っている。枝振りの良い梅の木を手前に入れ、背景に穂谷の家並みをという構図にしたが、少し欲張り過ぎたかなという出来になった。  
 
 
   
  穂谷の家並み(枚方市穂谷)2020.02.24     36×51p   
  コロナウイルス禍を避けて穂谷への気晴らしスケッチの2枚目。1枚目は欲張りすぎの構図となったため、同じ場所で20bほど前へ進んで、今度は家並みだけに焦点を当てた。複雑な地形の中にいろんなタイプの屋根が散らばっていて楽しい。ただ、手前の屋根だけは目立ちすぎの、少し座る場所を工夫すべきであった。  
 
 
   
  続・穂谷の家並み(枚方市穂谷)2020.02.24     F6  
  もう1枚どこかで描こうと歩き回ったが、いずれも過去に何回か描いたことがあるアングルばかり。その中で屋根の並びが一番面白いと感じているポイントを選んだ。この日3枚スケッチする間、観光客や村の人を含めどなたにも出会わなかった。コロナウイルス感染を避けるため人混みへ出掛けるのは控えろと言われているが、現地へはマイカーでの往復だし、この日の行動では”濃厚接触”はゼロ。  
 
 
   
   黄金色の「穂谷」A(枚方市)16.09.30     36×51p  
  黄金色の田んぼが描けるのは今の季節しかないため、この日も午後から枚方市の穂谷へ出かけた。集落の背後にある馴染みの高台へ登ると、黄色の田んぼに彩られた魅力的な家並みが広がる。穂谷では何回もスケッチしているが、田んぼが色づいているときは初めて。集落の前面(家並みの向こう側)にも一面に田んぼが広がっているが、この場所は村興しのためコスモスの栽培をしており、上から見ると黄色の田んぼが少ない。何枚か黄色の田んぼを増やしておいた。  
 
 
   
   黄金色の「穂谷」@(枚方市)16.09.30     36×51p  
  実は上の絵はこの日の2枚目。1枚目は家並みを少しアップで描いてしまったが「今日の主役は田んぼ」と思い、手前の田んぼを大きく取り、視野を少し広げて描き直した。出来上がった2枚の絵を絵を見ていて、「穂谷」という地名は”稲穂が実る谷間”に由来するのかな、と勝手な想像をしてみた。  
 
 
   
  穂谷公民館付近(枚方市)16.09.30     F6  
  穂谷には枚方市で唯一という酒蔵があり、その建物がランドマークみたいな存在で、とても気に入っていた。ところが最近、酒造りを止められ、残っていた建物もなくなり更地になっていた。黄金色の田んぼを主役にして描いた後、他のスケッチポイントを探したが、もう一つその気にならない。もう切り上げることにして穂谷バス停近くの駐車場へ戻る途中、ふとこの風景が目に止まった。コンクリート造の建物は集落の公民館である。  
 
 
穂谷の冬@(枚方市穂谷)    2015.02.11       36×51p
この日はよく晴れており、気温も10度を越えているので、昼前から「穂谷」へスケッチに行った。穂谷は訪問回数が多いため、目新しいスケッチポイントを探すのに苦労をするが、あちらこちらを歩き回って、ようやくまだ描いたことのないポイントを見つけた。集落を高みから眺められる見晴らしの良い場所だが、その分、風が強く寒かった。

穂谷の冬A(枚方市穂谷)    2015.02.11       25×41p
穂谷でようやく新しいポイントを見つけて↑の絵を描いたが、2枚目を描く場所が思い浮かばない。「どこかないかな」と思いながら坂を上がったり下りたりしたら、すっかり息が上がった。以前、秋に描いたことがあるポイントにさしかかり、「季節が違うからまあいいか」と妥協することにした。少し方向が違うが、1枚目に描いた家々と半分以上が重複している。

穂谷の冬B(枚方市穂谷)    2015.02.11       25×41p
寒くてスケッチに出かけるのが億劫なので、出たついでになるべく枚数を稼ぎたい。この場所からも「前に描いたことがあるな」と思いながら、穂谷の家並みが見渡せる高い土手に登った。絵の中央の大きな木の手前に、以前は造り酒屋の建物が並んでいたが、酒造りを止められて、今は更地になっている。そこだけ家並みにぽっかり穴が開いたようで、何となく寂しい。「前に描いた絵」は↓の「冬の穂谷A」(10.02.14)だが、2枚を比べてみると樹木がたくさん切り倒された結果、見える家の数がずいぶん多くなっている。

穂谷の夏(枚方市)2014.07.11     36×51p
この日は梅雨明けはまだだがよく晴れているので、どこかでスケッチしたくなり穂谷へ行った。穂谷では夏にはあまり描いたことがないが、複雑な地形の村なので、探せば木陰ぐらいあるだろうと想像した。ところが実際に行ってみると日陰で描ける場所がなかなか見つからない。坂道を上がったり下がったりし、ようやく見晴らしの良い木陰を見つけたころには全身汗まみれになってしまった。とはいえ風通しがよい木陰でのスケッチは至福の時であった。

穂谷の秋@(枚方市)2013.11.18      25×41cm
ひまつぶしさん、与堂さん、Iさんと誘い合わせて、紅葉真っ盛りの穂谷へ行った。穂谷の家並みと紅葉の山が同時に見渡せる高台へ上った。天気も良く気分は最高である。皆さんと横一列に並び、着彩しながらおにぎりの昼食も食べた。ただし、紅葉した山の表現は案外難しく、しかも腕の立つ皆さんと並んでのスケッチなので、ちょっと緊張した。

穂谷の秋A(枚方市)2013.11.18      36×51cm
この日、他の方々は別のポイントで1枚描かれてからこの高台に集合したが、私だけは最初からこのポイントで描いていた。Aとあるが実は最初に描き始めたのがこちらの絵。絵の左側に手前の山のスペースを取り過ぎ、描きたいと思っていた家並みの一部しか画面に入らなかった。失敗したような気分になり、途中で投げ出していたが、思い直し@を仕上げてから、再度、続きを描いた。

穂谷の秋B(枚方市)2013.11.18      F6
この日の3枚目に穂谷の中心部にある大和棟のお宅を描こうと思った。しかし行ってみると、その家の前でプレハブ住宅の新築工事が行われており、スケッチなどできない。仕方なく、秋らしい鄙びた別のポイントを探して、この日の締めにした。

穂谷・春爛漫(枚方市穂谷)2013.04.15        36×51cm
この日はいかにも春らしい天気なので、午後になってから穂谷へ行った。木々の若葉がいっせいに芽を吹き、いかにも美しい。集落内にはあちらこちらに鯉のぼりが揚がっている。以前は見かけなかったので、個人で揚げたのではなく、あるいは村興しの一環かもしれないが、春風を受けて泳ぐ姿はやはり気持ちがよい。穂谷には海外からやってきて農作業をしている人がいる。こんな場所で若い女性から英語で話しかけられた。

穂谷・春爛漫A(枚方市穂谷)2013.04.15        F6 
気候が良いのでもう1枚描きたいと思い、あちらこちら歩き回ったが、目新しい場所がなく、また俯瞰が描ける高台へ登った。2月には寒風に震えながらスケッチした場所だが、今回は暖かくてとても心地よい風が吹く。絵の出来はもう一つとの気分だったが、気持ちよくスケッチできたのが何よりである。

「穂谷自然農園」(枚方市穂谷)2013.02.12        F6
久しぶりに穂谷へ出かけ、これまで描いたことのないポイントを探してうろついた結果、坂道に巨大な長屋門を構えるお宅の前に陣取った。門の板壁に世界各国の国旗が飾ってあり、門には「穂谷自然農園」との看板が出ていた。帰宅後ネットで検索すると、同農園は穂谷の里山で有機農業による野菜づくりをしており、国内外から農業体験希望者を広く受け入れているという。これで国旗の意味も理解できた。

穂谷の俯瞰(枚方市穂谷)2013.02.12        36×51cm   ●13河内展
穂谷の集落は複雑な地形に家々が建っている。高いところへ登れば面白い構図が得られるのではないかと思い、ゴロゴロとカートを引いて坂道を登った。最後に枯草の田んぼの土手をよじ登ると、目の前に素敵な俯瞰が広がった。複雑に入り組んだ多くの屋根を描くのが楽しそう。珍しく8Bの鉛筆を取り出し、ゴシゴシと描いた。いつの間にか空は曇り風が冷たくなった。

石垣のある家(枚方市穂谷)2013.02.12        F6
熊本城は「武者返し」と呼ばれる石垣で知られる。近江の石工・穴太衆を招いて築いたもので、石垣の上部ほど勾配が急になり、攻めてきた武者が容易に登れないという構造である。穂谷の集落の中に、まるで「武者返し」を思わせる立派な石垣を備えた大和棟造りの旧家がある。民家だから別に敵の襲来に備えたものではなかろうし、わざわざ穴太衆に依頼したものでもなかろう。とはいえ、まるでお城のような贅沢な構造物である。

紅葉の穂谷@(枚方市)10.11.30     36×51cm
もうすぐ紅葉のシーズンも終わるので、紅葉狙いで穂谷へ出かけた。最近、第2京阪道路が自宅近くに開通し、これを使えば穂谷まで10分ちょっとで到着するようになった。穂谷ではたびたび描いているので、新しいポイントを探すのに少し手間取ったが、日差しの方向も考え、これまで描いたことのない場所を選んだ。紅葉はまさにピークだった。

紅葉の穂谷A(枚方市)10.11.30     36×51cm
穂谷という集落はとても複雑な地形に立地している。村の中心に用水池があり、それを囲むように家々が建っている場所を選んでみた。中央に赤いトタン屋根の家があり、いいアクセントになるような気がし、この家から描き始めた。

穂谷の蔵元@(枚方市)
10.11.30      F6 
穂谷には枚方市で唯一の日本酒の蔵元がある。この玄関周りや裏手にある酒蔵は地元ではけっこう人気のあるスケッチポイントとなっている。酒蔵はたびたび描いているので、今回は玄関周りを描いてみた。最初の1枚(上の絵@)は建物が紙からはみ出してしまったので、同じ場所からもう1枚描いた(下の絵A)。
穂谷の蔵元A(枚方市)
10.11.30      F6 

冬の穂谷A(枚方市)10.02.14    36×51cm
前日、穂谷で2枚目を描き始めたが、風が強くて寒く、線にまで震えが出て様にならない。絵をボツにして帰ることにした。翌日、天気予報を見ていて今日こそ暖かそうだと思い、また同じ場所へ。しかし、よく晴れているのに、やっぱり風が強くて寒い。スケッチしながら、穂谷は昔からそうめんの産地だったことを思い出した。もともと寒い場所なのである。結局また、1枚描いただけで引き揚げた。

冬の穂谷@(枚方市)10.02.13   F6
少し暖かそうな日だったので、穂谷へ行った。できれば以前と違った場所で描きたいと思い、集落を一周した結果、坂道に沿って建ち並ぶ家並みが面白いと思って、このポイントを選んだ。逆光気味のアングルなので、日が差すと対象物がよく見えず、日が陰ると寒い、ということの繰り返しだった。

にほんの里100選・穂谷(枚方市)09.01.13  36×51cm
朝日新聞創刊130年記念事業とかで「にほんの里100選」というのが決まり、その中に「穂谷」が入った。「今日は天気が良いからスケッチにでも行ったら」と家人に背中を押され、せっかくだからとその穂谷へ出かけた。日当たりの良い場所を選んでスケッチを始めたが、風が冷たい。そのうちに空は曇り、激しく雪まで降り始めた。

穂谷の春A(枚方市)07.04.16 31×41cm
下の絵で、手前の菜の花が印象的だった。これをうまく表現するには「マスキング液」を使うのがぴったりだと思ったが、持ってきていない。写真を撮り、自宅で試してみた。

穂谷の春@(枚方市)07.04.15 36×51cm
山の木々が新芽を吹いている。春の山は秋とは違った魅力がある。それを描きたくて穂谷へ行き、下の紅葉の絵を描いたのとほぼ同じ場所を選んだ。菜の花が盛りの畑の隅に座り、コンビニで買ったおにぎりをほおばりながら描いていると、足元がぐらぐら揺れる。かなりの揺れでしかも長く感じた。時計を見ると12時19分。後で聞くと震源地は三重県亀山市付近だったそうで、穂谷あたりも震度3程度だったらしい。

穂谷10(枚方市)06.11.30 36×51cm
ちょっと時間ができたので、秋景色を描きに穂谷へ。今がピークの紅葉だったが、途中で黒雲が広がり、急に寒くなった。雨までパラつきだしたので慌てて引き上げた。

穂谷9(枚方市)05.10.31 36×51cm
山がだいぶ秋色になってきたので、それを描きたくて穂谷へ行った。すでに冬の日差しのため日が当たる山が描ける場所を探すために何度も坂を上がったり下がったりし、すっかり汗をかいた。全体に黄ばんだ緑がきれいだ。近くの田んぼはコスモスの花盛りだった。

穂谷8(枚方市)05.08.02 36×51cm
暑いから、とにかく日影を探し、そこから見える景色を描くことにした。構図などといっておれない。おかげで暑い思いをせずにすんだが、描き終えて片づけをしている時、突然の夕立。もう少し手を抜き、10分早く仕上げていたら雨に遭うことはなかったのに。近くにとめてある車へ移動するだけですっかり濡れた。

穂谷7(枚方市)05.04.29 36×51cm
「みどりの日」だから山の緑を描こうと、また穂谷へ行った。同じ場所から同じ構図で3回目は初めての経験。前回(4月14日)はまだ「春の山」には少し早すぎたが、今回はまさに春たけなわ。揚げヒバリのさえずりを聞きながらのスケッチとなった。

穂谷6(枚方市)05.04.14 36×51cm   
2月に下の絵を描いて、春になったらもう一度と思っていた。意識して同じ場所から同じ構図で描いた。残念ながら「春の山」には少し早すぎたようだったが、気温20度、寒くなく暑くなく、とても気持ちよいスケッチだった。

穂谷5(枚方市)05.02.22 36×51cm
前日に続いてよく晴れている。しかも風がない。「今日こそ」の気持ちで再び穂谷へ。とても暖かく、ゆったりとした気分でスケッチした。山ひだに抱かれるように家々が佇み、造り酒屋の酒蔵の大きな屋根が家並みに変化を与えている。冬枯れの山も案外美しいが、春になって、木々が芽を出したらもう一度この風景に挑戦したくなった。

穂谷4(枚方市)05・02・21 23×48cm
横長のスケッチブックを買ってきたので、試しに穂谷へ描きに行った。天気は良かったが風が強く、とても寒い。気分が乗らないままほうほうの体で引き上げた。

この日はF3の小さなスケッチブックを持っていった。陽だまりの中で枯れ草の上に座って気分よくスケッチした。










穂谷1(枚方市)05.02.05 F3

2枚目は大和造りの旧家を描いた。早くも紅梅がほころんでいた。










穂谷2(枚方市)05.02.05 F3

地区内に造り酒屋があった。煙突と瓦屋根の組み合わせが気に入って、立ち描きした。









穂谷3(枚方市)05.02.05 F3

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