大阪府  
 
 
  春日元町(枚方市)  
 
 
  春日元町は枚方市東南部にあり、交野市と境界を接している。地区内の春日神社にあった説明板によると、中世まで津田山の東南麓にあった畠山村が洪水で衰微し、住民が春日と津田に移ったという。当時の春日は周囲に濠を巡らせた環濠集落であったされる。集落内を歩くと狭い道を挟んで長屋門を構えた豪勢な住宅が軒を連ねている。  
 
 
   
  春日元町・三軒門付近(枚方市)17.02.22     36×51㎝  
  どこか近場のスケッチポインはないかと考え、枚方市にお住まいのIさんが描かれた春日元町を思い出した。春日元町は枚方市域とはいえ、交野市と境を接しており、市役所からの距離は交野市の方が近い。まずIさんも描かれていた「三軒門」のある場所へ行ってみた。一つの門の中に3軒の家があるという不思議な構造で、扉はないため無断で門の中に入って描かせてもらった。この絵の正面に見えるのがその門で、たまたま出てこられた左側のお宅のご主人によると、以前は門に扉があって、夜は用心のために閉めたという。  
 
 
   
  春日元町・三軒門付近その2(枚方市)17.02.22     36×51㎝  
  春日元町の「三軒門」を出たところに座ってもう1枚描いた。この絵の右側手前に描き込んであるのが三軒門。門の中にある3軒のお宅は同じ名字だが、門の外の豪勢なお宅も同じ名字だった。この場所で左右を向いても後ろを向いても同じように絵になる風景が広がっていた。  
 
 
   
   春日元町の町並み①(枚方市)17.02.22     F6  
  春日元町は昔は環濠集落だったという。奈良盆地には多くの環濠集落があり、周囲に壕が残っているところもあるが、春日元町は春日神社の前に壕のようなものがあるだけで、それ以外、遺構らしきものはまったく見られない。しかし、複雑に入り組んだ狭い道を挟んで豪勢な家々がひしめく町並みの様子は、他の環濠集落とよく似ていて、どこでも絵になる感じである。春日元町1丁目と2丁目の境界の交差点に座ってもう1枚描いた。   
 
 
   
   春日元町の町並み②(枚方市)17.02.26     F6   
  春日元町にはまだ描きたいポイントがあったため、日を置かず出かけた。春日元町1丁目に長い土塀のお宅があり、この日は最初にここを目指した。座った場所は狭い三叉路で、後ろは溝川になっている。私自身は後ろへ落ち込まないように気をつけながら、電柱の影に入りスケッチしていたが、正面からやって来た車が三叉路を曲がろうとして、あわや脱輪という事態になった。幸い大事に至らず、何とか脱出できたが、こんな場所でスケッチしている当方にも若干の責任があるような気がして申し訳ない気分だった。  
 
 
   
   春日元町の町並み③(枚方市)17.02.26     F6  
  春日元町にあった長い土塀のお宅。この日1枚目を描いた場所は道幅が狭く、あわや脱輪事故まで起きかけたので、場所を移して反対側から描いた。このポイントには溝蓋があり、ゆったり描けたが、逆光で景色は見えにくかった。  
 
 
   
  春日元町の町並み④(枚方市)17.02.26     F6  
  春日元町で最後にもう1枚。この場所は最初に来たときにも気になっていた。狭い道の両側に魅力的な建物が向かい合っている。こうした構図をスケッチする場合、左右どちらかを犠牲にする必要があるが、できれば両方を入れて描きたかった。この道は行き止まりで、両側に見えるお宅の人しか通らないと思ったので、厚かましくも道に真ん中に座わらせてもらった。  
 
 
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