岡山県  
 
 
  下津井(倉敷市)  
 
 
  瀬戸大橋の岡山県側の付け根にある下津井は、古くから「風待ち、潮待ち港」として栄え、江戸時代からは北前船の寄港地、金毘羅参りの渡し場としても賑わった。手を入れすぎない素朴な雰囲気の古い町並みが残っている。以前は下津井電鉄がこの町まで来ていて、一度乗ったことがあるが、1991(平成3)年に廃止となった。かつて児島郡下津井町だったが、児島市を経て1972(昭和47)年4月に倉敷市の一部となった。  
 
 
   
  下津井港(倉敷市下津井)2019.05.16   F  
  香川県からの帰り、下津井に立ち寄り、スケッチした。香川県坂出市から下津井まではノンストップであっという間に到着する。まさに車のありがたさである。高齢者の免許返上を求める声も強いが、この便利さは捨てがたい。丸亀市のスーパーで買ったおにぎりを1時間後に下津井港横の木陰で食べた。海風が気持ちよく、そのまま目の前の風景をスケッチする気になった。船を描くのは慣れないせいもあり、面倒でうまくいかないが、今後はなるべく漁村のスケッチを増やしていきたいと思っている。それには車は手放せそうにもない。  
 
ちょっと暑いが、木陰を出て船着き場の先端まで行った。これから鯛釣りに出かけるという人が話かけてきた。橋の向こうは鷲羽山。
 
 
 
   
  「むかし下津井回船問屋」付近(倉敷市下津井)2019.05.16   F  
  下津井の町並みの中に、昔、回船問屋だった建物を復元した「むかし下津井回船問屋」という資料館がある。車はその資料館の駐車場に止めさせてもらったし、次はその付近で描くことにした。下津井の町並みは手を入れすぎず、自然な形で保存されており、スケッチしたくなる場所が多いが、回船問屋付近は道が緩やかにカーブしていて、いかにも感じが良い。陽当たりが良すぎて暑いが、まだ辛抱できる季節である。  
 
 
   
  下津井の俯瞰(倉敷市下津井)2019.05.16   36×51㎝  
 
下津井ではぜひ俯瞰を描きたいと思っていた。実はこの時は下津井へ立ち寄ることを最初から決めていたわけではなく、下調べはしていなかった。しかし、回船問屋の建物を描いている時、ふと、ひまつぶしさんのホームページに「小学校の上から町を俯瞰した」というコメントがあったのを思い出した。近くに小学校へ登る階段があり、さらに校地を抜けて学校の上の道まで登ると、眼下に見事な景色が広がっていた。目の前の島は櫃石島(ひついしじま)で、香川県坂出市に属している。




←←いわば思い付きで訪問した下津井だったが、帰宅後ひまつぶしさんのホームページを確かめると、3枚とも同じ場所でのスケッチだった。

 
 
 
  倉敷市美観地区ほかへ  
  「中国・四国の旅」目次へ