岡山県

吹屋(高梁市成羽町)

中国自動車道の新見インターを降りて、くねくねとした山道を登っていくと吹屋の町並みは突然に目の前に現れる。どうしてこんなところに、こんな立派な町並みがと目を疑いたくなる。まず銅山で栄え、その後、廃石から取った酸化鉄で赤色顔料のベンガラを生産することに成功、2度目の繁栄を見た。さすがにベンガラで塗られた家々が多い。もっとも最近塗られたものも多いと聞いた。(04年2月、成羽町は合併により高梁市の一部となった)

吹屋C(高梁市成羽町) 06.09.05 36×51cm
前回描き残した思いがしていた吹屋をちょうど10年ぶりに再訪した。吹屋ではAの絵の場所がベストアングルである。しかし地区公民館の屋上へ上がる必要がある。町の人に聞くと「新聞記者でないとだめです」とか「屋上へのハシゴが壊れていて今は上がれません」とか「テレビ局は大型のクレーン車を持ってきましたよ」といった答えが返ってきた。あきらめていつものように道端に座り込んだ。

吹屋D(高梁市成羽町) 06.09.05 36×51cm
2枚目は吹屋バス停付近で描くことにした。なだらかな坂道の両側にベンガラの生産や販売で栄えた大型の家々が並んでいる。左側奥の土蔵のある家は高梁市重要文化財の旧片山家。宝暦年間から昭和46年までベンガラを製造していた老舗で、主屋は江戸時代後期に建てられたという。10年前に訪問した時は「片山家」だったが、平成14年(02年)に「旧片山家」になった。

吹屋E(高梁市成羽町) 06.09.05 36×51cm
もう1枚、吹屋の町並みの中心部で描いた。右側には「百貨店」の看板も出ている。左側には郵便局も。しかし、集配業務は統合で中止されたとか。このあと、近くの吹屋小学校を訪ねたが、生徒数は8人に減ったという。現役木造校舎として日本最古というすばらしい建物だが、いつまで「現役」が続くのだろうか。以前は独立した吹屋町だったが、それが成羽町になり、04年2月には高梁市の一部になった。過疎化は確実に進んでいる。

吹屋@(成羽町)96・08・17 F8
坂道に沿って続く町並みのうち一番充実している中町地区でスケッチブックを広げた。江戸時代以来ベンガラの生産を行ってきた片山家の日陰に座ると、正面に明治時代に建築された大型の商家が並ぶ。
夏休みとあって家族連れのギャラリーもやってきた。近くの小学校の建物が素晴らしいそうだが、事前取材なしだったため、見逃した。



吹屋A(成羽町) F8
同じパターンの連続、繰り返しがあると町並みは魅力的になる。格子や壁がベンガラ色で赤いだけでなく屋根も赤い石州瓦で葺かれているため、とにかく町全体が赤、赤、赤。(お断り:この絵は雑誌に載っていた写真から描いたものです。ベストアングルなのですが、地区公民館の屋上へ上がらないとこの景色は見えません)

吹屋B(成羽町)96・08・17 F8
メーンの町並みから少し坂を下った下谷地区にあるベンガラ壁(右手前部分)の家。さらに少し離れた中野地区には城郭を思わせる広兼家があった。

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