奈良県

柳生の里@大柳生(奈良市大柳生町)

柳生は柳生新陰流という剣術を生み出した柳生一族の本拠地である。本来は奈良から徒歩で石畳の残る旧柳生街道をたどるべきだろうが、とてもその元気はない。京都府側の笠置あるいは奈良から延々と山道を登ると、急に広々とした田園風景が目に飛び込んでくる。なかでも奈良寄りの大柳生は一番広々としており、気分が伸びやかになる。

   
  柳生街道その1(奈良市大柳生町)17.04.29     36×51p  
  春の大型連休が始まった。いつも休日なのでとくに出かける気はないが、スケッチにはベストシーズンなので、奈良で開幕したグループ展を訪問するついでにスケッチもすることにした。とはいえ、いかにも混雑しそうな奈良市中心部は避けて、のどかな山間部を選んだ。奈良から山を越えて柳生へ通じる柳生街道が、大柳生町では町並みを見下ろす高い位置を通っている。下に掲載している「大柳生・塔阪垣内」のスケッチをしているとき、その街道沿いに絵になりそうな家並みがあったので、今回はそこを目指して出かけた。道路脇でスケッチしていると、ハイキングの人たちが三々五々通る。村の人は田植えの準備に余念がない。  
 
 
   
   柳生街道その2(奈良市大柳生町)17.04.29      28×46p  
  柳生街道沿いの家並みは変化があってとても面白いのだが、引きが取れず、1枚の紙に入り切らない。そこで街道の反対側(柳生側)からもう1枚描いた。  
 
 
   
  大柳生の俯瞰(奈良市大柳生町)17.04.29      36×51p   
  柳生街道沿いでスケッチした場所から大柳生の家並みが見下ろせる。大柳生は盆地状になった地形の周辺の山裾に家々が連なり、どちらを向いても絵になる。これまで西側から東側の家並みを描いたことが何回もあるが、東側から西側の家並みを描くのは初めて。画面中央の茅葺き屋根の前に大柳生バス停があり、左へ行けば奈良市の般若寺の近くへ出る。右へ行けば柳生新陰流を生み出した柳生一族の本拠地・柳生へ至る。  
 
 
   
  柳生街道その3(奈良市大柳生町)17.04.29      F6  
  最初のスケッチポイントから「柳生街道」の標識に従って少し奈良方面へ歩くと、道は上り坂になり、何となく「峠へ向かう旧街道」といった雰囲気の風景に出会った。左側の建物の意匠が面白く、それを大幅に取り込むかどうか、構図を決めるのに少し迷ったが、街道らしさを優先した。  
 
 
冬の大柳生(奈良市大柳生町)    2015.01.24       36×51p
大平尾でスケッチ後、同集落を通り抜けている県道47号線をそのまま北へ進むと大柳生へ出た。大柳生は広々とした盆地に立地しており、ただ風景を眺めているだけでも気持ちが良い。大柳生の景色が気に入っているが、ここでスケッチするのは9年ぶりであった。日当たりの良い道路脇に座り「空気がうまいなあ」と思いながら冬枯れ風景をスケッチしていると、年輩の人も含め何組かのサイクリストが坂道を上ってきた。そのまま奈良市中心部まで行くのだろうか。ずいぶん距離があるのにご苦労なことである。

大柳生交差点付近(奈良市大柳生町)    2015.01.24       F6
大柳生の中心部で国道369号と県道47号(天理加茂木津線)が交差しており、その交差点に大柳生バス停がある。交差点に面して形の良い茅葺屋根のお宅があり、絵になる構図だが、そのお宅は以前スケッチている(↓の絵)。少しだけ視点を変えて、大柳生郵便局の前から交差点付近を描いた。

大柳生・塔阪垣内(奈良市大柳生町)    2015.01.24       36×51p 
大柳生は広々とした田んぼを挟んで、東側と西側の山裾に家々がある。郵便局や農協などがある国道369号沿いの西側の集落から、東側の集落を描いた。字名が地名から消えたのでよく分からないが、東側の集落は塔阪垣内というらしい。午後になり風は冷たくなったが、よく日が当たる田んぼの畔に座ったので気持ちが良かった。

大柳生B(奈良市大柳生町)06.04.28     36×51cm
ひまつぶしさんと2人で柳生へ行き、阪原で1枚描いたあと、大柳生に移動した。気温20度というのはいかにも快適である。複雑な家並みにてこずって、ちょっと肩に力が入ってしまった。

大柳生C(奈良市大柳生町)06.04.28      36×51cm
上の絵は実際に見える景色よりズームをきかせた絵になってしまった。ちょっと引いたアンクルから描き直してみた。田んぼを前に山の麓に家並みが広がるというのは、日本の農村の原風景といえる。

大柳生@(奈良市大柳生町)04・06・29     36×51cm
この時初めて柳生に行った。笠置から予想以上に険しい山道を上ると柳生に着く。柳生にはには柳生陣屋跡や柳生藩家老屋敷といった旧跡もあったが、もう一山越えて、大柳生まで行った。暑いので車ごとすっぽり入る深い木陰を探して、スケッチブックを広げた。

柳生も大柳生も高原上の小盆地にあるが、古くから奈良と笠置を結ぶ交通の要衝でもあった。大柳生バス停付近は複雑な交差点になっていた。




大柳生A(奈良市大柳生町)
04・06・29      F6

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