奈良県

龍田(斑鳩町)

法隆寺の門前から西へ、斑鳩町役場前で国道25号線から分岐した細い道筋にツシ2階建ての町屋や大和棟の民家が混じる古い町並みが続いている。旧奈良街道沿いに発展した街道町、宿場町で、かつては中心部にある龍田神社の周辺に旅籠や商家が軒を連ね、郡山に次ぐ繁栄ぶりだったという。

国道25号線沿いの民家(斑鳩町龍田)2012.02.12     F6
龍田の古い町並みを抜けてきた旧奈良街道は龍田大橋の手前(東側)で国道25号線と再び合流する。国道は2車線でかなり道幅が広いのに、両側にはいかにも重厚な家並みが残っている。幅の広い国道の両側に古い家並みが残っているのはなぜか。拡幅工事をしたのなら少なくとも片側は新しい家並みになるはずで、以前から不思議に思っていた。

旧奈良街道(斑鳩町龍田)2012.02.12     36×51cm
龍田の町並みを通り抜ける旧奈良街道は真っ直ぐな一本道。道の両側に間口の広い古い民家が並んでいるが、軒が真っ直ぐ過ぎて絵になりにくい。龍田神社のすぐそばにある畳屋さんの店先に椅子を置かせてもらってスケッチした。目の前にある大和棟が特徴的である。日当たりのよい場所を選んで座ったはずだったが、やがて太陽が動いて日影になると、さすがに寒い。

龍田B(斑鳩町)08.11.13  F6
久しぶりに龍田へ行った。結局、14年前と同じ「太田酒造」を描いたが、比べてみると建物は当時と全く同じで、小物に至るまで何一つ変わっていなかった。

龍田@(斑鳩町)94・03・19 F8
町並みのある旧街道は竜田川近くで再び25号線に合流するが、その合流点近くに姿のよい造り酒屋があった。風に揺れる白い暖簾が印象的だった。

同じ場所から北向きに延びる路地を描いた。こうした構図の絵は最近もよく描いているが、この時はバランスを取るのに非常にてこずった。


龍田A(斑鳩町)94・03・26 F8

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