奈良県

兵庫(高取町)

高取町には「土佐」「薩摩」「吉備」など住人の出身地にちなんだ地名があるが、「兵庫」という集落もある。兵庫」という地名は兵庫県の兵庫と同じ語源で、飛鳥時代にこのあたりに武器庫があったことに由来するという。いかにものどかな農村だが、ところどころに由緒ありそうな旧家がある。

兵庫の秋@(高取町兵庫)   2014.09.26       36×51cm   
木津川市にお住いのOさんから「高取町兵庫にある母の実家の前の田んぼが黄金色できれいですよ」とのメールがあった。写真が添えられており、「そう言えば今年はまだ黄色の田んぼを描いていないな」と、その気になって出かけた。Oさんのご母堂の実家は以前は江戸時代から続く醤油醸造業を営んでいたという旧家で、隣の旧家と2軒分合わせて長い長い塀が特徴。塀の前の道は壺阪寺への参詣道だったという。まだまだ暑かったが、稲の黄色がまぶしいほどだった。

兵庫の秋A(高取町兵庫)   2014.09.26       36×51cm
同じOさんのご母堂の実家を少しアングルを変えて描いてみた。ここには日陰がないが、暑さを少し我慢することにした。正面の山の上に「兵庫」という地名の元になった飛鳥時代の武器庫があったとされ、「兜大明神」とも呼ばれる大己貴神社(おおなむちじんじゃ)があるという。スケッチ後に集落内を歩いていると神社に通じる長い石段があった。上ってみようかなと思ったが、入り口の家の犬に思いっきり吠えられたので、上るのをやめた。

兵庫の大和棟(高取町兵庫)   2014.09.26       F6
高取町兵庫の村中の旧街道に沿って水量豊かな小川が流れている。小川沿いの旧街道を歩いていてふとかなり古びた大和棟のお宅を見つけた。なんとなく気になりスケッチブックに描き止める気になった。座った場所は三叉路になっていて、後ろは水量豊かな小川である。後ろへ落ちたら大変との気分でスケッチしていると、三叉路の上の道からも時たま軽自動車が下りてくる。あわてて椅子を抱え道を譲ったりした。

明日香村入谷へ
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