奈良県

多武峰、倉橋、下(桜井市)

桜井の市街地から南の山中へ分け入った多武峰に中臣鎌足を祭神とする談山神社がある。そこへ向かう参詣道沿いに、下(しも)、倉橋といった集落がある。この近くに聖林寺もあり、集落には伝統的な家屋がたくさん残っていた。
 
 
   
  「聖林寺」付近(桜井市下)2019.01.19   36×51p  
  倉橋で下の絵を描いた後、下(しも)へ移動、田んぼ道に座って山裾に建つ聖林寺の建物を描いた。座った場所は陽当たりが良く気持ちよかったが、完全な逆光で山の様子も建物もよく見えず、ずいぶん苦労した。スケッチ後、門までは行ったが参拝はせずそのままUターンした。帰宅後、ネット検索していてこの寺には国宝の十一面観音像が安置されていることを知った。いかにも不勉強である。  

   
   聖林寺参道(桜井市下)2019.01.19   F6  
  聖林寺を描いた後、お寺へ向かう道筋の家並みを描いた。お寺の門前町として発展した町のようで、元茅葺き屋根の民家とその向こうには一度スケッチしたことのある西内酒造場の重厚な建物が見える。狭い一方通行の道だが、やってくる車の数が多く、最初は道路にはみ出して描いていたが、だんだんと道端に身をかわさざるを得なかった。良い天気だったが、日陰にいるとやはり寒い。  
 
 
   
  倉橋(桜井市)2019.01.19   25×41p   
  談山神社へ初詣に行った帰り、その参道にある倉橋、下という集落で車を止めて下見した。良い天気になったので、改めて両集落へスケッチに出かけた。日当たりの良い高台で倉橋の集落を眺めてまず1枚。倉橋は崇峻天皇陵もある大変歴史のある集落らしい。遠くには大阪府と奈良県の境にあるラクダのこぶのような二上山が霞んでいた。このページに掲載している下の絵も同じ1月19日に描いている。何かの巡り合わせであろう。  
 
 
   
  談山神社(桜井市多武峰)2019.01.03   F6  
  2019年の1月3日、混雑していそうなところは避けて、3日にFさんと2人で談山神社へ初詣に行った。駐車場は無料、おまけに正月3が日は拝観料も無料だそうで、何だか儲かったような気分である。スケッチ道具は一応持って行ったが、突然雪が降り出すなどでスケッチブックを広げる気にならなかった。仕方なく写真から描いてみた。神社のシンボル「十三重塔」が真ん中にどーんと座った、まるで絵はがきのような景観である。  
 
 
「貴醸酒」の蔵元(桜井市下)10.01.19     36×51cm 
三輪でスケッチしている時に出会った方から「貴醸酒」という珍しいお酒をいただいた。水の代わりにお酒を原料として造る日本酒で、とても甘口のため食前酒、食後酒にぴったりである。聞けば桜井市下(しも)にある西内酒造場で造られたものだという。以前訪ねたことはあるがスケッチはできなかったことを思い出し、さっそく出かけてみた。一方通行の旧道沿いにあり少し道に迷ったが、電柱に同社の銘柄である「談山」という看板が出ており、それを頼りにたどり着いた。NHKテレビドラマのロケにも使われたという風格のある建物だった。酒よし、建物もよしだった。

下の後ろ姿(桜井市下)10.01.19   F6
この日は”3月下旬並み”という陽気だった。「西内酒造場」の建物を描いたあと、集落の裏側へ回ると、川沿いに日当たりのよい広場があった。いかにも日差しが気持ちがよさそうなので、用意してきたサンドイッチの昼食にした。目の前の家並みは街道に沿って並ぶ下(しも)の家々の裏側だが、生活臭がにじみ出ていてちょっと面白いので、ついでにスケッチした。

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