奈良県
旧京街道沿い(奈良市手貝町、芝辻町、押上町

奈良女子大のあたりから東大寺の転害門がある旧京街道(国道369号線)沿いにかけてを「奈良きたまち」として売り出すことにしたようである。昔は奈良でこの付近が一番繁華な街だったが、駅が別の場所にできたため、ちょっと寂れた。その気になってスケッチポイントを探せば面白そうな地区である。

「アトリエ ぶらり すけっち」(奈良市手貝町)2014.04.30     25×41p
京都や奈良には間口が狭くて奥行きのある「鰻の寝床」と呼ばれる町家があるが、旧京街道(国道369号)に面した「アトリエ ぶらり すけっち」の建物はまさにその典型といえる。この日はTさんが開講されている教室の作品展がこのアトリエで開かれているので訪問し、ついでにその建物をスケッチした。間口が何メートルかは聞きそびれたが、奥行きの方は裏手にある庭まで含めると実に80メートルもあるという。普通の町家は道路に面した部分しか目にすることができないが、ここは隣接地が市営駐車場のため、その全容を眺めることができる。Tさんご本人に立ち会っていただきスケッチした。

威徳井橋から(奈良市押上町)2013.03.06        F6      
旧京街道に威徳井橋という橋がある。急いでいると見過ごしてしまいそうな小さな橋で、その下を吉城川という川が流れている。先日、この近くにあるTさんのギャラリーを訪問した帰りに「ちょっといいなあ」と感じていたポイントである。吉城川は奈良公園の中を流れ鹿が遊ぶ風情のある川だが、威徳井橋をくぐった後、少し先で暗渠に吸い込まれるという。

手貝町の路地(奈良市手貝町)2012.06.10     F6
奈良市手貝町に絵仲間のTさんがギャラリーを開かれたので、奈良でのスケッチの機会に訪問した。国道369号線に面して「奈良市転害門前観光駐車場」があり、その北隣にある築90年の町家を手に入れて、ギャラリー「奈良きたまちスケッチハウス・アトリエぶらりすけっち」に改装した。普段はTさんの作品を眺めながらコーヒーを楽しめるが、貸しギャラリーにもなりスケッチ教室も開かれる。この絵はギャラリーから一筋北の路地風景。何気ない風景をすばらしいスケッチ作品に仕上げられるTさんの影響を早くも受けた絵かもしれない。ギャラリーの案内ブログはこちらから。

「工場跡事務室」(奈良市芝辻町)2012.06.10     F6 
手貝町から東大寺境内に入ってみた。しかし大仏殿や正倉院などは私にはどうも手ごわい。大仏池のそばに、何だか工場のような建物が見える。戒壇院の北門へ登る道で振り向くと、絵になりそうな風景である。スケッチを始めた途端「ここがいつもの散歩道」というご婦人が横に座り込み「絵になる風景でしょう。気に入っています」と、かなり長時間話し込んでいった。いかにも東大寺の境内のような場所だが、帰宅後調べてみると、境内に入り込んだ芝辻町という町で、建物は昭和50年代まで「フトルミン」という乳酸菌飲料を造っていた工場だったという。今は「工場跡事務室」という変わった名前のカフェだそうだ。

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