奈良県

一条大路付近(奈良市)

東大寺の転害門(てがいもん)から真西へ延びる道が一条大路で、佐保路とも呼ばれている。県道104号といえば味気ないが、平城京の一条通りを引き継いでいるといわれると、何となしにありがたさを感じる。車のすれ違いも難しいほどの狭い道だが、道沿いには歴史を感じる家並みも残っている。

   
   一条大路の和菓子店(奈良市東包永町)16.04.30     23×41p  
  アトリエ「ぶらり・すけっち」の作品展を訪ねたついでに、そのすぐそばの一条大路で、ちょっと面白い和菓子店「萬林堂」の建物を見つけてスケッチした。隣家が取り壊されてあらわになったトタン板の壁に派手なペイントが施されている。空き地は隣の豆腐店「きたまち豆腐」の駐車場になっており、和菓子店の店頭に「とうふ」との旗が出ていた。  
 
 
転害門付近(奈良市手貝町)2011.02.25     36×51cm
奈良・東大寺には大仏殿の正面南ある「南大門」と境内の西側にある「転害門」の二つの門がある。転害門は天平時代の東大寺創建当時のまま残る数少ない建物。「てんがいもん」と読みたくなるが「てがいもん」というのがその名前で、この付近の町名は「手貝町」という。門の前は京街道と呼ぶ旧国道24号だが、門の正面から真西へ向かうのが一条大路で佐保路とも呼ばれる。一度この門を描きたいと思っていたが、西からやってきた一条大路が転害門に突き当たる交差点のところでスケッチした。”大路”と呼ばれているが、実際は車のすれ違いも難しいほどの道幅である。

塔の見える町(奈良市東包永町)2011.02.25     F6
近鉄奈良駅から北へ行き、一条大路を東へ歩いていて、南北に通る狭い道の先に、ふと興福寺の五重塔が見えた。手前には失礼ながらあまり新しくない長屋が軒を連ねているのもよい。南北の道の名前は分からないが、「京都ならさしずめ○○通一条下ルだな」と思いながら町名表示を見ると、「東包永(ひがしかねなが)町」とあった。

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