奈良県

ならまち界隈(奈良市芝新屋町、中新屋町ほか)

奈良市内に「ならまち」という町名はなく、昔、元興寺の境内だったあたりの町をそう呼ぶそうだが、今ではすっかり定着し、観光客を集めている。このページでは「ならまち」に含まれる多くの町のうち芝新屋(しばのしんや)町と中新屋町の絵を中心に集めた。芝新屋町の「元興寺塔跡」には巨大な礎石だけが残り、これがかえって奈良の歴史を感じさせる。

   
  芝新屋町D(奈良市)2020.01.13  
  浪漫会メンバーの山田和紘さんと川永隆博さんが「奈良水彩展」に出展されているので、会期最終日に合せて訪問、ついでに奈良市内でスケッチすることにした。どこで描くか少し迷ったが、私の奈良市内でのスケッチの原点ともいえる芝新屋町を選んだ。南北に貫く「旧・上街道」(上ツ道)に沿って各家がノコギリ刃状に建っているのが、やはり描いていて楽しい。  
 
 
   
  今西家書院(奈良市福智院町)2019.04.21   F6   
  悠彩会スケッチ会で午前中に通った福智院町に「今西家書院」という国の重要文化財の建物があった。以前から気になっていたので、この機会に描いた。今西家書院は、興福寺大乗院の坊官だった福智院家の居宅だった鎌倉時代の建物を、大正時代に酒造業の今西家が買い取ったものだという。表通りから見えるのは門と塀だけで、その並びには清酒「春鹿」でしられる今西清兵衛商店の店舗が見え、さらにその向こうには福智院の屋根が覗いている。(いわゆる「ならまち」から少し外れるが、芝新屋町などから距離的に近いのでこのページに収載)  
 
 
芝新屋町C(奈良市)2013.01.24     36×51cm      
久しぶりにならまち界隈へ行き、あちこちポイントを探しながら歩いたが、どうもその気になる場所に行き当たらず、結局、旧上街道沿いの芝新屋町に座った。このあたりは皆さんがよくスケッチされており、私自身も同じ場所で4回目。

芝新屋町B(奈良市)06.10.28        36×51cm
奈良市で悠彩会のスケッチ会が開かれ、皆さんと一緒に芝新屋町で描くことにした。過去に2度描いているが、やはりこの場所が一番気に入っている。周辺にはいかにも観光客相手といった店が増えているが、この一画だけはどっしりとした民家が存在感を示し、しかもとても変化のある家並みである。

芝新屋町A(奈良市)06.03.23         36×51cm
ほぼ2年ぶりに「ならまち」へ行った。前回同様、京終駅で降りてポイントを探しながら歩いたが、やはり前回描いた芝新屋町の町並みが一番まとまっている。まったく同じアングルというのもつまらないので、同じ場所で反対側を向いて描いた。軒先を貸してもらった米屋さんのトラックをお礼に描いておいた。

芝新屋町@(奈良市)04・06・22        36×51cm
久しぶりにやってきた台風が過ぎ去り、カラリと晴れ上がったためじっとしておれず、「ならまち」へ出かけた。「元興寺塔跡」の前で家並みが雁行形になっていて絵になる。この道は旧・上街道だという。それにしても暑い。このあたりをいつも散歩しているというご婦人が、今売れている「伊右衛門」をわざわざ買ってきて差し入れしてくださった。ありがたく頂戴しながら筆を運んだ。

中新屋町(奈良市)04・06・22           F8
上の場所から少し北へ行ったところに漢方薬の老舗「菊岡」があり、よく絵や写真で紹介されている。家々に備えられた防火用バケツやこの町特有の「身代わり猿」が彩を添えてくれる。暑そうに描いている姿を見かねたか、漢方薬店の奥さんが氷入りのお茶を路上まで運んでくださった。聞けば、20数代続くこのお店は以前、目抜きの三条通にあったが、道路拡張でやむなくここへ移転したという。店内には元の店舗を描いた素晴らしい絵が掛けてあった。

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