長野県

海野(東部町)

いつかは海野宿を訪れねばならないと思っていた。しかし、これまでの経験からあまり有名な場所は町並みに手を入れすぎていてがっかりすることが多い。2001年7月20日から22日にかけ、海野を主目的地にした夏の信州旅行をした。さて、その海野。建物はさすがにすごい。しかし町並みの整備のしすぎは予想通りと言おうか。とくに水路に沿って植えられた柳がいただけない。

海野1(東部町)01・07・20     F8
海野は小諸と上田の中間にあり、元は中山道と北陸道を結ぶ北国街道の宿場町だった。鯱瓦までつけた豪勢な「うだつ」を上げた町並みで有名だが、このうだつは宿場時代のものではない。明治以降、全国の養蚕農家向けに養蚕種紙の商売で成功、火の消えたようになっていた町をよみがえらせたという。この町のうだつは蚕の卵が上げたうだつと言える。

町をぞろぞろ歩く観光客と厳しい暑さを避け、路地に入って描いた。時折、後ろで電車が走り抜ける音がする。新幹線の開通で第3セクターになってしまった旧信越本線の線路が家並みの裏側を走っている。線路はいかにも立派だが、電車の本数は少ない。「旧宿場町にある旧国鉄・JRの線路か」・・と何だか感傷的な気分になった。
海野2(東部町)01・07・20      アルシュ粗目10号

おまけ
今回は信州の鎌倉と呼ばれる別所温泉に連泊した。スキーシーズンの信州にほぼ毎年来ているが、夏の経験は少なく、初めての軽井沢や浅間山も楽しみだった。
せっかくの別所温泉でも1枚と思い、安楽寺の八角の三重塔に挑戦した。ガイドさんに連れられた団体観光客が次々に後ろを通る。水性ペンで描き始めたので失敗しても消せない。しかもいかにも形の取りにくい建物。失敗だった。




別所温泉・安楽寺の三重塔(上田市)       01・07・22   F8

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