長野県

和田宿(和田村)

旧中山道(国道142号線)で諏訪大社下社秋宮の横を抜け和田峠を越えたところに、旧和田宿(和田村上町)があった。いかにも旧街道の宿場を思わせる静かなたたずまいの中で、ゆったりした気分で描いた。今回の旅の目的地は海野だったが、こちらの方が断然気に入った。

和田宿@(和田村)  01・07・20       コットマンF8
この辺りの建物の特徴である「出桁づくり」の古い建物が並ぶ街道風景をまず1枚描いた。近くに本陣の建物もあった。大火で消失していたが、皇女和宮の降嫁の時、この宿場が宿泊地に選ばれたため、1861年(文久元年)に再建された。明治以降は役場として使われていたが、新庁舎建設に伴い1984年(昭和59年)に解体修理され、公開されている。

和田宿A(和田村)      01・07・21      アルシュ粗目10号
20日は海野が気になるためそちらを優先したが、和田宿にはまだまだ描きたいポイントがたくさんある。翌21日に再び引返して、とくに壮大なうだつを上げている「萬屋」という商店を描いた。うだつの形も京都や美濃などで見るものとずいぶん違う。袖壁の部分が斜めになっているタイプは木曾谷でも見た。絵の右手が和田峠へ続く道。

昔はあちこちの町に「よろずや」と呼ばれている店があった。食料品から日用品まで何でも扱っており、いわばその町の百貨店だった。しかしかなり不便なところにもスーパーやコンビニができて、「よろずや」はお株を奪われている。この町では文字通り「萬屋」を屋号にしているこの店が健在で、繁盛している様子だった。旧宿場町にコンビニは似合わない。

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