三重県

尾鷲(尾鷲市)

熊野灘に面した尾鷲市は雨が多いことで有名。古くから漁業をおもな産業としていたが、江戸時代からは林業の町として栄え「尾鷲ヒノキ」で知られる。市街地の港近くを「熊野古道伊勢路」が通り、街道沿いに古い町並みも見られるが、その道に面してかつて山林王といわれた土井本家の豪壮な屋敷があった。

天満浦(尾鷲市)11.09.29     F6
尾鷲では尾鷲駅にほど近いビジネスホテルに泊まった。7時過ぎには朝食を済ませたが、さすがにそんな朝早くからスケッチもできない。NHKの連続朝ドラを見たが、まだ早い。商店街でスケッチなどしていたら不審者扱いされかねないが、朝の早い漁港ならよかろうと、町外れにある「天満浦」へ行った。皆さんがもう仕事の真っ最中。
多雨地帯といわれるが、この日は晴天。朝の海はいかにも気持ちがよい。

林町(尾鷲市)11.09.29     F6
「熊野古道伊勢路」は伊勢神宮と熊野三山を結んでいた旧街道。尾鷲市街地では街道に沿って南から林町、朝日町、中井町などがあり、街道町というより大型の屋敷が並ぶ屋敷町の雰囲気である。林町のスーパーに車を止めさせてもらってそこから北へ歩いた。とりあえず林町で街道筋らしい雰囲気のところをスケッチした。
通りがかりの人が次々に覗き込み、話しかけてくる。久しぶりに”町並みスケッチ”らしい気分。

中井町(尾鷲市)11.09.29     F6
熊野古道に沿って林町から朝日町に入ると、道沿いに”土井本家”の広大な屋敷があった。かつて山林王と呼ばれた人のお宅で、塀越しに洋館を含めた建物群が見えるが、立派すぎるのでスケッチは敬遠した。街道は鍵型に曲がり、中井町へ入る。こちらはかつて旅籠などが並んでいたようで、今は商店街になっている。そんな中に閉店した酒屋さんがあり、その横の路地の様子が面白いので、スケッチ対象に選んだ。
さっそく、ご近所の方々に囲まれた。尾鷲は中部圏のはずなのに、関西圏に縁がある人も多く、話が弾んだ。
目の前に「饅頭本舗」の看板があった。出てきた奥さんには「看板を絵に描き込まなくてごめん」と謝ったが、つい饅頭をお土産に買うのも忘れた。重ね重ねごめんなさい。

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