三重県

丸柱(伊賀市)

伊賀上野から滋賀県の信楽に抜ける国道422号線沿いに伊賀焼の産地・丸柱がある。中世以来の歴史を持つ古窯だそうだが、焼き物には詳しくないので、訪問しても焼き物の産地らしいスケッチ対象を探すだけ。小物一つ買うわけではなく、窯元にとっては歓迎したくない訪問者であろう。

     
   桜の「長谷園」(伊賀市丸柱)16.04.06    36×51p   
  最高のスケッチ日和に誘われ、ちょっと遠出する気になり、Fさんに声を掛けて、伊賀市の丸柱へ行き、登録有形文化財の「登り窯」がある長谷園(長谷製陶)を訪ねた。同社の建物を描いた自転車野郎さんや与堂さんの絵が印象に残っていた。敷地内にある展望台へ上ると、桜が満開。花見気分で気持ちよくスケッチし、弁当も開いた。Fさんはその辺りの草花を片っ端から描いている。頭の上の桜の枝を描き込むかどうか迷ったが、失敗しそうなので結局省いた。  
 
 
   
   「長谷園」の登り窯(伊賀市丸柱)16.04.06    F6   
 

伊賀焼の「長谷園」での2枚目に登録有形文化財の「登り窯」を描いた。この登り窯は天保3年(1832年)の創業時から昭和40年代(1970年代)まで稼働していたもので、16連房の大きさの登り窯で現存しているのは日本でこれだけといわれている。下から見上げて登り窯そのものを描こうかなとも思ったが、窯を見下ろす場所に椅子とテーブルを備えた東屋があり、至れり尽くせりなので、上から描くことにした。その向こうにある小型の登り窯はこの日も稼働中で、煙がもくもくと立ち上がっていた。





 
 
 
 
   
  「長谷園」(伊賀市丸柱)16.04.06    F6  
 


「長谷園」の建物のうち、大正時代に建てられ事務所として使われていた木造洋館の「大正館」、茅葺き屋根の「主屋」なども登録有形文化財になっている。3枚目は敷地内を通り抜ける道路から、欲張ってそれらの建物が皆見えるアングルで描いた。右手のガラス窓のある建物が「大正館」、左手に屋根の上部だけ見えるのが「主屋」である。主屋は最近まで当主・長谷家の住居だったそうで、玄関には鶴と亀を編み込んだ凝った注連縄が飾られていた。(右の写真)




 
 
 
 
丸柱@(伊賀市)09.05.09  F6
伊賀上野へ行ったついでに、与堂さんが素敵なスケッチをしておられる伊賀焼の産地・丸柱へも立ち寄ることにした。地図を見ると国道422号線が丸柱を通っている。国道というにはずいぶん険しい道だったが、丸柱へ入って最初に見つけたのが一目で登り窯と分かる建物のあるこの窯元だった。

丸柱A(伊賀市)09.05.09  F5程度
丸柱は信楽に比べるとずいぶん鄙びた感じである。上の絵を描いたあと、近くに巨大な煙突が見えたので近づいてみた。しかし、周辺には人の気配がしない。廃屋をスケッチするのはあまり気が進まないし、陽がすでに傾き始めていたが、これも丸柱らしい風景の一つ思い、もう1枚描くことにした。

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