京都府

須知本町(丹波町)

丹波町須知は古くから交通の要衝で、現在でも国道9号線と27号線がこの町で分岐し、また京都縦貫自動車道が京都からここまで延びてきている。旧山陰道沿いの須知本町には妻入りの民家が残り、旧街道の趣を残している。9号線がこの町を迂回する形で開通したため、旧街道沿いの古い町並みが残ったものだ。ところが近く京都縦貫道の延伸工事が始まり、この町並みが根こそぎなくなってしまうという。

須知本町1(丹波町)03・09・07 アルシュ36×51cm
この日、この旧山陰道を使って京都府の「車椅子駅伝」が行われていた。懸命に車椅子をこぐ選手に、声援を送りながら絵筆を運んだ。絵を描き終わって近所の人と話していると、この場所へ京都縦貫道が延びてきて、ちょうど絵に描いた家々がすっかり立ち退きになるということを教えてくれた。「計画が持ち上がった当初は反対署名なども集めたのですがね」とあきらめ顔だった。
 
 
(須知本町付近の地図)
右側から京都丹波道路(縦貫道)が伸びてきている





                           車椅子駅伝に声援を送りながらのスケッチとなった。
 

 
2018年2月14日、和知周辺でのスケッチの帰りにこの場所に立ち寄った。頭の上に京都縦貫道が走り、この場所の家並みは見事に更地になっていた。この部分の高速道路は2015年7月に開通した。





 
 
 
   
  須知本町2(丹波町)03・09・07 モンバルキャンソンF8  
  絵の出来はよくないが、いかにものんびりとした田舎風景である。正面の橋は96年に架け替えたが、以前のまま木橋としたそうだ。田んぼの稲はもう色づいていた。裏手の「導権稲荷神社」の森の大きな杉の根っこから、おいしい清水がこんこんと湧き出していた。  
 
 
須知本町3(丹波町)04・05・22 アルシュ36×51cm
上の家並みを裏側(国道9号線側)から眺めても面白い。この場所は帰省などの時によく通るから一度、裏側から描きたいと思っていた。田植えが終わったばかりの時期に再び出かけて描いた。手前からこの家並みに向けて高速道路が真っ直ぐに突っ込むことになっている。

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