京都府

膏薬図子(京都市下京区新釜座町)

綾小路通の杉本家の西側に狭い路地があり、鍵型に曲がって四条通へ通じている。細い路地は「膏薬図子」というそうで、町名は新釜座町という。両側に古い町家が並び、ちょっとした異空間である。四条烏丸という京都を代表するビジネス街のすぐそばにこうした古い町並みがひっそりと残っているのはいかにも京都らしい。

膏薬図子A(京都市下京区綾小路通西洞院東入ル上ル)11.07.27      F6 
杉本家の立派な土蔵とその向かい側にある赤提灯の一杯飲み屋の対比が気に入り、以前にも一度描いたことがある(下の絵)。この日もう一度描く気になり、綾小路通に面した店の前に椅子を置かせてもらった。スケッチしていると年配の男性が絵を覗き込んできた。女性が覗き込んでくるのはよくあるが、男性は珍しい。しばらくして「そこの者です」という。出勤してきた赤提灯の店のご主人だった。

膏薬図子B(京都市下京区四条通西洞院東入ル下ル)11.07.27      F6
新釜座町での2枚目は四条通を背にして描いた。以前はこの道の両側にびっしりと古い町家が並んでいたが、今回行ってみると両側の家並みが途絶えて駐車場ができている。ところでこの絵の右側の町家に赤い幟が出ていた。その文字を読むと東京の有名な神社と同じ「神田明神」とある。江戸総鎮守の本家とはいかにも規模が違い、こちらは町家の中にすっぽりと収まっているが、やはり平将門ゆかりの神社とかでけっこう由緒があるらしい。

膏薬図子@(京都市下京区)03・10・05       F8
この日は「いらかぐみ」の会合が京都であり、集合時間を気にしながら杉本家そのものを描かずに横の路地に焦点を当てて描いた。飲み屋の赤提灯が印象的である。

京都市下京区・油小路通仏光寺付近へ
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