京都府

西石垣(さいせき)通(京都市下京区)

京都を代表する繁華街の一つ・先斗町通は四条通の交差点より南になると西石垣(さいせき)通と名前が変わる。すぐ南で高瀬川沿いの木屋町通と合流する狭くて短い通りだが、老舗の大型料亭がある味のある通りである。ただし、「最近、木屋町通と同様、風俗系の店も増え、風情がなくなった」と絵を覗き込んだ人が嘆いていた。

   
  「東華菜館」A(京都市下京区)2019.06.15    F6  
  6月の悠彩会スケッチ会の昼食会会場には、ちょっと贅沢だが四条大橋西詰めにある北京料理の「東華菜館」を選んだ。東華菜館ビルはこの辺りのランドマークでもあり、この日、このビルをスケッチ対象に選んだメンバーも多い。私自身もせっかくだから四条通歩道の屋根の下から、東華菜館ビルに焦点を当てて描いた。このビルのエレベーター(こちらを参照)は、1924年米国製で現存するものでは日本最古といい、昇降やドアの開閉は手動式。悠彩会のメンバーのSさんは在職時代にエレベーターを手がけた専門家だが「このエレベーターに乗れただけでも今日は大満足」と幹事にとっては嬉しい感想を漏らしてくれた。なお同店の予約には絵を通じての友人・Fさんのお世話になり、店側にも大変な配慮をしていただいた。  
 
 
「東華菜館」と「ちもと」(京都市下京区西石垣通)2013.04.16        F6
この日、悠彩会メンバー・Kさんの個展が寺町三条の画廊で開幕したので、その訪問前に西石垣通でスケッチした。通りに北を向いて座り、北京料理の「東華菜館」とその南の老舗料亭「ちもと」という洋と和の2つの建物を描いた。狭い道から高い建物を見上げて描く練習のような絵になった。

西石垣通(京都市下京区)2011.05.02     F6
西石垣通を南側から眺めると、左側からやってくる木屋町通と狭い路地風の西石垣通が変則三叉路になっている。角に建つ三角形の料理屋と西石垣通に面している東華菜館の洋館との対比が面白い。木屋町通の歩道に椅子を出したので、いろんな人が絵を覗き込んでいく。近くに住んでいるらしい小学生が「どうしたら絵がうまくなれる?」と聞くので「楽しくたくさん描くこと」と応えておいた。絵がうまい人のHPに書いてあるフレーズである。

「ちもと」(京都市下京区)09.08.14   36×51cm
石垣通を四条通から南へ入ってすぐのところに「ちもと」という大型の老舗料亭がある。裏側(東側)は鴨川に面していて納涼床でも有名。江戸時代中期に千本通りで開業したため「ちもと」という屋号だが、明治時代初めに現在地へ移転したという。道の向かい側に姉妹店「彩席」があるため、板さんがたびたび目の前を通ったが、つい絵に描き込むのを忘れた。

「東華菜館」@(京都市下京区)09.08.14    F6
四条大橋の西詰、四条通と西石垣通の交差点に建つのが「東華菜館」という北京料理の店。有名なヴォーリズの設計で、スペイン・バロック様式とか。1926(大正15)年に「矢尾政レストラン」という西洋料理店としてスタートしたが、戦時中にメニューを変更したという。多くの人が絵にしているが、いかにもスケッチ環境が悪そうに思っていた。しかし、四条通の先斗町入り口にある交番の横のちょっとした窪みに入り込むと、人通りの邪魔にならず、頭の上にはアーケードがあって日影も確保されている。しかも背後の先斗町通から涼しい風が吹き出してきた。

京都市下京区団栗橋あたりへ
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