京都府

団栗橋あたり(京都市下京区)

団栗(どんぐり)橋というのは四条大橋の1本下流に架かる橋である。人波があふれる四条大橋に比べ渡る人の数も少ない。たまたま、ここを通りかかったところ、鴨川畔の家並みをスケッチするのにまたとないポイントであることを知った。
 
 
   
  鴨川畔の「鮒鶴」(京都市下京区)2019.06.15    F6  
  6月の悠彩会スケッチ会幹事を引き受けた。梅雨真っただ中の季節なので、雨でも橋や軒の下から描ける京都の四条大橋、団栗橋近辺や祇園町を会場に選んだ。友人が出展している展覧会の訪問ついでに、雨でも描けるポイントをしっかり再確認し、用意万端。この年は梅雨入りが遅れたが、当日はやはり激しい雨との天気予報であった。でも、不思議なことにスケッチ中は一粒も降らず、ついていた。さて私自身は何度も描いている場所なので、ポイント選びに迷い、少し下流の松原橋の下に陣取った。川向こうにまだ描いたことがない「鮒鶴」の建物が聳えている。鮒鶴は1870(明治3)年の創業で、大正末期の建てられた5層楼閣様式の建物は国の登録有形文化財になっている。ネットで確認したら、最近は結婚式に力を入れており「鮒鶴京都鴨川リゾート」という大仰な名前になっていた。  
 
 
   
  禊(みそそぎ)川付近(京都市下京区)2018.12.02     F6  
  この日は知人の個展が最終日だったので、スケッチも兼ねて京都へ行った。あまりにも良い天気なので、鴨川の河原で描きたくなり、四条大橋下流の西側の河原へ。鴨川西側の河原を流れる川を禊(みそそぎ)川と呼ぶらしい。この川の上に納涼床が出ることで知られるが、その川面への映り込みが綺麗だったので、今回の絵は禊川を主役にして、タイトルも「禊(みそそぎ)川付近」とした。なお、禊川は加茂大橋(今出川通)から五条大橋付近まで鴨川に沿って流れる約2qの人工川。  

   
  団栗橋の下からB(京都市下京区)2017.09.03    F6  
  この日は夕方から京都で会合があるので、例によって少し早めに出かけてスケッチした。何しろ暑いので、涼しさを優先して、鴨川の団栗橋の下へ行き、四条大橋付近の賑わいを描いた。団栗橋の下は相変わらず鮎釣りの人たちのたまり場。ゆったりと時間が流れていく。  
 
 
団栗橋遠望(京都市下京区)       2015.05.14    F6   
この日は京都・四条で開催中の学生時代の仲間の写真展を訪問後、夕方からみんなで一杯やることになっていた。例によって早めに出かけスケッチすることにしたが、いつもと気分を変えるため京阪・清水五条駅で下車、とりあえず納涼床の出た風景を描こうと思い鴨川の河原に下りた。日陰がまったくないので少し北へ歩いて松原橋の下へ入り込み、遠くに見える団栗橋あたりを描いた。毎回同じような絵になるので、たまたま持っていた布目の画用紙に8B鉛筆で描いてみた。

団栗橋界隈(京都市下京区)   2014.09.05    F6
この日は展覧会鑑賞を兼ねて京都へ出かけ、雨でも描けるスケッチポイントで順番に描いたが、雨も上ったので、最後は鴨川畔で描こうかなと思った。ところが準備をしているうちに、突然雷鳴が轟いた。最近は異常気象で思わぬ豪雨がやってくることが多い。恐れをなし、やはり雨でも描ける四条大橋の下に移動、下流に架かる団栗橋界隈を描いた。しかし、結果的に雨はやってこず、川縁の納涼床ではテーブルカバーを外すなど、営業の準備が始まった。

団栗橋の下からA(京都市下京区)2014.05.07     F6    
5月に入ると鴨川に納涼床が出る。納涼床の出た鴨川畔の風景はたびたびスケッチ材料にしているので、目先を変えて四条より南へ五条大橋近くまで行った。しかし、やはりその気にならず、以前描いたことがある団栗橋の下の日影に座り、四条大橋あたりを描いた。風が少し強く、橋の下だと肌寒く感じた。

団栗橋付近(京都市下京区)2013.03.29        F6
この日、ギャラリー「祇園小舎」で虹の会展が開かれていた。その出展作の中で与堂さんの「団栗橋遠望」がとても気に入ったので、会場を出た後、さっそく同じスケッチポイントへ行ってみた。幸いギャラリーから至近距離の場所で、目の前には枝垂桜が咲き、彩りを添えてくれている。与堂さんの作品をネットで拝見した時は大きなサイズかと思ったが、実際は小さな作品だった。同じ場所で描いた私の絵はそれよりサイズは大きいのだが、今見比べても私の方が小さく見える。そのあたりがレベルの差ということだろう。

南座と比叡山(京都市下京区)2013.03.29        F6
2つのグループ展をハシゴし、ついでにスケッチもという欲張りな予定で京都へ。先日も京都でスケッチしたばかりなので、気分を変えて四条より南の団栗橋あたりへ行った。桜が満開なのでその気になればどこでも絵になりそうである。しかし、薄曇りのため同じことなら気分の良さそうな場所で描こうと鴨川の河原に降りた。目の前に桜が咲いている。鴨川の流れに加えて、南座やその向かい側のレストラン・菊水の建物も見え、おまけに比叡山の姿まで見える。まことに欲張りで贅沢な構図である。

鴨川納涼床2011−1(京都市下京区)2011.05.02     F6
5月に入ると京都・鴨川の納涼床が店開きし、しかもこの季節だとまだ日向でも描けるので、過去にもGWに納涼床を描きに行ったことがある。季節ものだからと、今年もスケッチに出かけた。河原に降りたが、四条大橋と三条大橋の間は祭りでもやっているかと思うほどの人出である。団栗橋の近くまで行き、振り返って四条大橋あたりを描いた。

団栗橋から(京都市下京区)08.05.09  36×51cm
鴨川畔の家並みは何度か描いているが、これまでは四条大橋より上流でしか描いたことがなかった。視点を変えてみると新しいものが見えてくる。「東華菜館」という中華料理店のビルとその手前の「ちもと」という料亭の黒い建物の対比が面白い。橋の上からスケッチできるので、構図的にも面白い。

団栗橋の下から@(京都市下京区)08.07.20 36×51cm
暑い暑い日、とにかく涼しく描ける場所でと、団栗橋の下の日陰へ潜り込んだ。目の前の鴨川では親子で水遊びする人、アユ釣りをする人など、さまざまな人たちが鴨川を楽しんでいる。四条大橋のすぐ下流には、鳥が魚を捕る瞬間をカメラに納めようと、銀色の傘で日差しをさえぎりながら、ずっと座り続けている人たちもいる。「物好きだなあ」と思ったが、こんな暑い日にスケッチしている者が「他人のことは言えない」とも思う。団栗橋の下は釣り人たちの休憩ポイントになっているらしい。川から上ってきた人に「釣れましたが」と聞くと、むすっとして「釣れへん」とつれない返事。

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