京都府

大原野(京都市西京区)

大原野は京都市の西の端、西山の麓に広がる農村地帯である。歴史的な深みのある社寺も多い。「京に田舎あり」と言われるが、その典型のような地域である。この近くにお住いの与堂さんのスケッチでその魅力を知った。最近、京都縦貫道が西山の山裾に開通し、私にとってはとても便利になったが、雰囲気がずいぶん変わったとも言われる。

南春日町A(京都市西京区)2014.05.23     F6
高槻市北部でのスケッチのついでに出かけた大原野はいかにも心残りの結果に終わったので、1週間後に再び訪問した。今回は最近開通したばかりの高速道路を利用し直接、大原野インターへ。自宅から30分程度で到着した。とりあえずの1枚は、前回描いた場所のすぐそばで見つけていたポイントを。農作業に使う竹竿や漆喰壁の落ち具合が印象に残っていた。北の方向の遠くに見える嵐山、愛宕山へ向かって田んぼの中を一直線に延びる道も大原野らしい。

南春日町B(京都市西京区大原野)2014.05.23     F6
大原野神社の駐車場に車を止め、周辺を歩いて次のスケッチポイントを探した。朝方は曇っていたが、やがて晴れ上がると日差しが強すぎる。道端にある倉庫の軒先の日陰に魅力を感じ、そこへ入り込んで目の前に見える家並みを描いた。屋根の並びが面白いなと感じ、涼しくて快適なスケッチだったが、考えてみると「とくに大原野らしい風景とは言えないな」との感想。

南春日町C(京都市西京区大原野)2014.05.23     36×51p
上の絵を描いている時、地元の人から「あの辺りで皆さんがよくスケッチされていますよ」という情報を得て、「南春日町」というバス停の脇から田んぼへ下りて行った。しばらく歩くと、与堂さんの絵で見覚えのある家があった。畑で作業している人がいたので、その人に断って畑の片隅に座らせてもらった。何しろ日陰ゼロの場所で、暑かったが、まだ真夏ではない。「日向で描くのは今シーズン最後かな」と思いながら鉛筆を走らせた。

南春日町D(京都市西京区大原野)2014.05.23     F6(変形)
車を止めた大原野神社の駐車場へ帰る途中で、感じの良い民家を見つけた。家の前の田んぼは田植えも終わっているので、これを組み合わせて描くことにした。ちょうど下校時間になり、小学生が通る。ついでにこれも描き込んだ。

南春日町@(京都市西京区大原野)2014.05.16     F6
高槻市北部の田能でスケッチしたあと、山越えで大原野へ。田能から大原野への道は、京都市域に入った途端に幅が狭くなり、さらに西山を越え金蔵寺というお寺の近くを過ぎてからは、道は下るというより「落ちる」と表現したくなる急坂になった。何回も肝を冷やしたが、幸い対向車にも出会わず、ようやく「これぞ大原野」といった広々とした場所に出た。しかし、大原野は初めてなので、スケッチポイントが絞れない。ようやく、ちょっと面白そうな家並みを見つけ、今「落ちてきた」西山と組み合わせて何とか1枚描いた。この場所は南春日町で、帰宅後、数多くある与堂さんの大原野の作品をチェックすると、偶然だがそれほど的外れの場所ではなかったらしい。しかし絵の方は手前のガードレールなどが「蛇足」。ただの草原にすればよかった。

京都市西京区樫原へ
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