京都府

錦小路通界隈(京都市中京区)

四条通の1本北側の道・錦小路通には京都を代表する食品市場の「錦市場」がある。年中、買い物客や観光客で混雑する市場の風景を描いてみたい気もするが、私の腕ではうまくいきそうにない。しかしその周辺にはいかにも京都らしい雰囲気の風景も残っている。

錦小路・大晦日(京都市中京区)15.12.31      F6
毎年大晦日の夜、京都で昔の仲間と忘年会を開いており、寒くなければついでに描き収めスケッチの機会にしている。この日も暖かかったので、少しだけ早めに出かけて、会場に近い「錦市場」付近でスケッチした。錦小路通と東洞院通の交差点に倉田青果店があり、珍しい京都の青果物を扱う店として人気があるらしい。突き当りには”京の台所”と呼ばれる錦市場の入り口が見え、右手には大丸百貨店があるので、大晦日の午後は買い物客で大賑わいである。

錦市場(京都市中京区)15.12.31      F6
大晦日のスケッチの2枚目。京都の大晦日と言えば錦市場を連想、毎年描いてみたいと思うが、あの雑踏の中でのスケッチはやはり無理。錦市場は錦小路通の寺町通から高倉通までの間に商店が軒を連ねているが、その西の入り口・高倉通との交差点付近を描いてみた。

15年祇園祭・霰天神山あたり(京都市中京区錦小路通室町西入ル)       2015.07.14    F6 
錦市場があるのは烏丸通より東側だが、もちろん錦小路通は烏丸を越えて西へ続いていて、室町通西入ルに「霰天神山」が建っていた。祇園祭の山鉾の建つ町並みは毎年スケッチしているので、できればこれまで描いたことのない場所で描きたかった。霰天神山の東側にはちょっと古そうな洋館があり、その手前の町家には赤い提灯が飾られていて、なかなか感じの良い町並みである。ちょうど小さな木陰があったので、その中に入って涼しく描いた。

錦天満宮より(京都市中京区錦小路通新京極角)   2014.09.05    F6 
先日、寺町通から蛸薬師堂を描いたのを思い出し、もう少し南の錦天満宮へ行った。錦市場(錦小路通)が新京極通に突き当たったところに錦天満宮があり、その鳥居の両端が両側のビルに突き刺さっているのが有名である。天満宮の境内の片隅に座らせてもらい、鳥居の向こう見える錦市場の賑わいを描いた。向こうからやってくる人がたまに深々とお辞儀をされる。もちろん私の後ろに鎮座している神様へのごあいさつなのだが、そのたびに何だか申し訳ないような気分。どうでもよいことだが右手前の店頭の洋服に付いている値段がいかにも安い。

「錦市場」と「近又」(京都市中京区御幸町通錦小路下ル)2011.12.31   F6
京都の大晦日といえばやはり「錦市場」だろうと思ったが、買い物客で混雑する市場風景は私の表現能力を超えている。錦小路と御幸町の交差点から南を見ると「近又」のいう懐石料理の老舗が見え、この建物と錦市場の人混みを組み合わせれば大晦日風景になると考えた。「近又」という変な名前は近江屋又八という創業者の名前を略したもので、江戸時代は近江商人の定宿だったといい、建物は国の登録有形文化財になっている。

倉田青果店(京都市中京区錦小路東洞院角)11.07.27      F6
錦市場のアーケードが切れた西の端にこの青果店がある。以前、与堂さんとOHさんがそれぞれこの店を描かれて以来、ちょっと懐かしい感じがするこの店の姿が気になっていた。倉田青果店で、結構人気のある店らしい。

錦湯と千丸屋(京都市中京区堺町通錦小路下ル八百屋町)08.02.25  F6
錦小路から堺町通を下がったところにある「錦湯」と「千丸屋」を描いた。「錦湯」は昭和2年に建てられた木造3階建ての銭湯で、脱衣場を利用してさまざまなイベントも行なわれているという。訪ねてみるとあいにく月曜日定休とかで、「ゆ」という暖簾がかかっていない。せっかくだからと暖簾を出しておいたが、ネットで確かめるとちょっと色がちがったようだ。「千丸屋」は京湯葉の老舗で、看板に文化元年創業とあった。このアングルは与堂さんの「京の絵だより」のおっかけ。

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