京都府

宮川町界隈(京都市東山区)

宮川町は京都五花街の一つ。団栗橋東詰めから五条通まで南に一直線に延びる細い宮川筋。その2丁目から5丁目にかけてお茶屋などの建物が並んでいる。さらにその周辺は京都市街地でも狭い路地や図子が集中している地域である

     
  団栗橋東詰から(京都市東山区)16.11.10     F6    
  まだ11月が始まったばかりなのに、もう「浪漫会」の忘年会だという。会場は京都・四条。ただ飲むだけではもったいないので、寒い日だったがスケッチブックを持って出かけた。とにかく描いたことがないポイントを選ぶことにし、手軽に京阪電車・祇園四条駅の南口を上がったところで1枚描いた。背後に団栗橋があり、東に延びるのが団栗通。角に「鮹長」というおでん屋があり、正面には建仁寺の森の向こうに東山が見える。  
 
 
     
  宮川町歌舞練場あたり(京都市東山区下柳町)16.05.03      F6   
  透明水彩画家・小林修一さんが京都では初めての個展をギャラリー・祇園小舎で開かれたので、初日に表敬訪問した。その後、近くでスケッチすることにし、普段はあまり足を向けない宮川町周辺へ行ってみた。大和大路通と宮川町通の間の道を南へ歩いていると、宮川町歌舞練場の裏手へ出た。歌舞練場の大きな建物と東側のゑびす神社の組み合わせを描いたが、一番気に入ったのは手前の民家のトタン板壁である。この辺りには観光客の姿もほとんどなく、京都の下町らしい静かなたたずまいであった。  
 
 
   
   西御門町の図子(京都市東山区)16.05.03      F6  
  京都では家々の間の狭い道で行き止まりになっているのを「路地」(ろぉじ)と呼び、次の通りまで突き抜けているのを「図子」(ずし)と呼ぶという。突き抜けているのには「辻子」という呼び方もあり、「突き抜け」と呼んでいるところもあるが、その違いはよく知らない。「あじき路地」の少し北、西御門町に典型的な図子があったので、入り口のトンネル状になった屋根の下でスケッチブックを広げた。絵の通り、道幅はきわめて狭く、ここでのスケッチはいかにも邪魔な存在。しかも行き来する人の数はけっこう多い。人が通るたびに「申し訳ありません」と挨拶したが、誰ひとりいやな顔をせず「どうぞどうぞ」と温かく迎えてもらった。こちらまで温かい気分になった。  
 
 
団栗通(京都市東山区)   2014.09.16    F6
この日は京都・寺町三条の画廊で開幕した村木美彦さんの個展を訪問した。その後どこかでスケッチしようと思ったが、最近この周辺でのスケッチ機会が多かったせいもあり、適当な場所が思い浮かばない。かなり広範囲にうろうろし、結局、団栗橋東詰めの団栗通に座った。なぜここを描く気になったのかと問われると困るが、手前の店にある巨大な換気ダクトが気に入ったのかもしれない。

宮川町(京都市東山区)92・05・31 F8
京都では路地を「ろぉじ」と呼ぶ。居住区であれ花街であれ「ろぉじ」を中心に人々の交流がある。南座の裏辺りにある宮川町は、近くの祇園町に比べても「ろぉじ」の幅が狭く入り組んでいる。雨上がりにこの絵を描いていて、干してある傘を「片づけまひょか」と言われ、「ぜひそのままにしておいて」などと会話した覚えがある。どうにもトイレが我慢できなくなって、このお宅に上げてもらった。(その後、素晴らしい景観のこの路地を探すが、様子が変わったのか、見つからない)

京都市東山区・六原学区へ
「近畿の旅1」のページへ