京都府

天王、高船(京田辺市)

京田辺市西南部、枚方市との境界に近い山中に「天王」という集落がある。ずいぶん古い歴史のある集落で、字は少し違うが読み方が「てんのう」というだけに、何だか畏れ多い感じがする。この村にある「朱智神社」が皇室ゆかりの人を祀っているところから生まれた地名のようである。「高船」はさらに奥まったところにある。

高船の秋色(京田辺市)2015.10.15   F6
ちょっと時間ができたので近場でスケッチすることにし、山の斜面に住宅が並ぶ京都田辺市の「高船」へ行った。集落の一番高い所にある神社の近くまで上り、目の前の住宅を見下ろすような構図でまず1枚。中景の山の一部が紅葉しており、徐々に秋色が濃くなってきている。道端の空き地に座り、気分は爽快。昼になったので同じ場所でおにぎりまで食べたが、通りかかる人は不審者を見る目をしていた。

高船の秋色A(京田辺市)2015.10.15   36×51cm
「高船」の入り口に車を止められるスペースがあり、そこから集落の全体像が描ける。以前、梅雨の晴れ間に、もし雨が来ても車に逃げ込めば大丈夫と、この場所で描いたことがあった(下の絵)。今回は申し分のない秋晴れの中、まったく同じ場所で大きめの紙を取り出し、ゆったり描いた。

高船A(京田辺市)2013.05.28        F6
この日、近畿地方も梅雨入りしたという。しかし雨さえ降らねばかえって涼しいと、スケッチに出かけた。ポイントを探してウロウロするうち、京田辺市高船へ出た。雨が降り出してもいざとなれば車の中からでも描ける場所だったので、とりあえず1枚。この村は山の中の斜面に立地しているので、日当たりを確保するため全ての家が南向きに建てられているという。

天王@(京田辺市)      2012.11.19        36×51cm
この村に個人で開設されている牡丹園があり、以前訪問したことがあったが、新しいスケッチポイントを探す意味で改めて訪ねてみた。集落内の急坂を息を切らしながら上り詰めたところにその名もありがたい「極楽寺」というお寺があった。そのお寺の下の道端に陣取ると、目の前に家々の屋根の群れが広がり、遠くの木津川沿いの平野まで続く山々がすっかり紅葉している。爽快な気分でスケッチした。

天王A(京田辺市)      2012.11.19        F6
この絵は「天王バス停」から集落へ上る道で描いたもの。立派な長屋門を構え、母屋は茅葺だったので、最初に描こうかなと思ったが、実際には帰りに描いた。この場所からはそれほど家数が多そうには見えないが、複雑な地形の中にかなりの家数があり、集落の真ん中には昔の小学校跡の標識も建っていた。

高船@(京田辺市)      2012.11.19        F6
「天王」にはまだスケッチポイントがありそうだったが、さらに山の中にある「高船」へ移動した。バス停で時刻表を見ると1日2本。故郷の村を思い出す。天王よりさらに急斜面に立地しており、これまた故郷に似ている。屋根が何重にも重なって見える場所を探して歩き、4、5台分の駐車場があったので、椅子を置かせてもらった。集落内の細い坂道を軽自動車がエンジンを唸らせながら登っていく。慣れていないと、とても運転できそうにない。

京田辺市打田へ
「近畿の旅1」(兵庫、京都)の目次へ