京都府

伏見その2(京都市伏見区)

酒どころ・伏見は電車でも車でも行きやすいので絵の数が増えてきた。比較的最近のスケッチを集めて「その2」とした。

   
  弁財天長建寺(京都市伏見区)21.03.04  F6  
  中書島駅から住宅街を抜け酒蔵街へ入るところに弁財天長建寺がある。朱色の唐風の門と土塀が目立ち、いつかは描いてみたいと思っていた。浪漫会スケッチは最後に寺田屋の近所にある公園に集まり、合評会をすることになっていたが、集合時間の午後3時までまだ少し時間があるため、弁財天長建寺の前へ行ってみた。3人の仲間がが描いておられるので、隣に座って描いた。  
 
 
   
  大倉記念館A(京都市伏見区本材木町)2019.04.27   36×51p  
  この日、高校時代の同級生7人が京都・伏見の酒蔵を改造した居酒屋で一杯やるという。夕方からただ飲むだけに出かけるのももったいないので、午後一番から酒蔵のスケッチで時間を調整することにした。京阪・中書島駅から酒蔵の並ぶ界隈に入っていくと、一番最初に目に入るのが月桂冠の「大倉記念館」である。いろいろスケッチ場所を考えるのも面倒なためとりあえずの1枚目にこの場所を選んだ。絵を覗き込んだ人が「手慣れていますね」との感想を伝えてくれた。下に掲載しているように、ちょうど10年前に同じ場所で描いている(大倉記念館@)。確かに手慣れているというか、進歩がないというか・・・。  
 
 
   
  三栖閘門@(京都市伏見区)2019.02.26   F6  
  浪漫会の皆さんとの飲み会が京都で開かれるので、途中下車してスケッチを楽しむことにした。かねて京阪電車の車窓から見える三栖閘門(みすのこうもん)が気になっていたので、中書島駅で降りた。三栖閘門は宇治川や淀川が水運に利用されていたころ、パナマ運河のような仕組みで水位の違う宇治川と濠川(宇治川派流)の間を船が通行できるようにした施設で、1929(昭和4)年に完成したという。天気が良いので宇治川の河原に下りてスケッチしたが、閘門は見上げるような高さで、船の通行なんかとうていできそうにない。調べてみると、1962(昭和37)年に天ヶ瀬ダムが完成したことにより、宇治川の水位が下がり、閘門も役目を終えたという。  
 
 
   
  三栖閘門A(京都市伏見区)2019.02.26   F6  
  三栖閘門は二つの門扉の間に水を溜めて船を行き来させる仕組みのため、二つの閘門を同時に描きたいと思ったが、一つの画面に二つが入る場所は「伏見みなと広場」の一角に限られる。描き込んだ木々はすべて桜。もうしばらくすれば絶景になるに違いない。左側の建物は昔の操作室を「三栖閘門資料館」として整備したもので、勉強になるうえ、きれいなトイレも備えられていた。  
 
 
   
  「月桂冠」の酒蔵(京都市伏見区)2019.02.26   F6  
  三栖閘門で2枚描いた後、濠川沿いに酒蔵のある地区まで移動した。「今なら川沿いの柳も葉っぱがなので、建物がよく見えるだろう」と思い、定番中の定番である「月桂冠」の酒蔵が見える場所へ行った。下に掲載している絵とまったく同じ場所からだが、今度も絵はあまり気に入ったものにはならなかった。4本の柳のうち1本が完全に倒れていたので、引き起こしておいた。  
 
 
濠川畔(京都市伏見区本材木町)2014.06.28     F6
この日は夕方から伏見の酒蔵が経営するレストランで、昔の仲間との飲み会があった。伏見で飲み会というのが珍しいので、少し早めに出かけて、飲み会までの時間にスケッチすることにした。酒蔵がひしめく伏見では何回もスケッチしているが、実は一番定番ともいえる濠川(宇治川派流)沿いのポイントで描いたことがなかった。幸いというか、この日の空は今にも泣き出しそうで暑くはない。「この際、一度挑戦してみるか」との思いで、月桂冠大倉記念館が眺められる濠川の対岸の道に座った。結果は、このポイントを敬遠していた理由が分かるような仕上がりに終わった。

竜馬通りの茶舗(京都市伏見区中油掛町)2014.06.28     F6
いつ降り出してもおかしくない空模様なので、納屋町商店街のアーケードの下に入り、その南側に続く竜馬通り商店街を描くことにした。角の茶舗はなかなか感じがよく、以前一度描いたことがある。2度目だが雨に遭うよりまし…と思っているうちに、かなり本格的に降り始めた。何しろ飲み会開始までの時間をつぶさねばならないので、雨になったからといって、スケッチを早めに切り上げるわけにもいかず、よい場所選択だった。前回描いた時もそうだったが、スケッチを始めてすぐに、茶舗の女主人が絵を覗きに来られた。

黄桜・カッパカントリーあたりA(京都市伏見区塩屋町)2014.06.28     F6
夕方近くなったので、飲み会会場の黄桜酒造・カッパカントリー前に移動、スケッチしながらみんなの到着を待つことにした。雨は止んだが、また降り出してもいいように酒蔵の軒下に陣取った。ここなら会合に遅刻することもないので、ゆっくり描いたが、それでも時間が余ってしまった。レストラン入り口前の中庭のベンチでくつろいでいると、仕事をしていたころの知人でこの辺りに住んでいるYさんが偶然やってきた。散歩途中らしく、懐かしい話に花が咲いた。

魚屋通り(京都市伏見区中油掛町)  2012.08.25         F6
悠彩会の8月度スケッチ会が京都・伏見で開かれた。伏見でのスケッチ会は何回目からしいが、なぜか私は初参加。しかし、個人的に何回も出かけているので、目新しい場所が思い浮かばない。とにかく日影で描くことを最優先条件とした。南側の日影が確保できる東西の道を選んで、中油掛町へ行き深い軒を持つ眼科医院の前に座った。この通りは日本で初めて電車が走ったといわれるが、改めて地図で確かめると「魚屋通り」という通りらしい。

寺田屋付近A(京都市伏見区南浜町)  2012.08.25         F6
さて2枚目はどこで描こうかと迷いながら船宿・寺田屋の付近へ行くと、仲間のSさんが目の前に立ちふさがる観光客を懸命にかわしながら奮闘しておられる。幸い日影の具合はよいので、私もご一緒することにした。ただし観光客を避ける意味から宿の正面ではなく少し離れた場所に座った。NHK大河ドラマの影響もあって坂本竜馬ブームが続いており、スケッチしている間にも観光バスが次々にやってきた。

黄桜・カッパカントリーあたり@(京都市伏見区塩屋町)  2012.08.25         F6
寺田屋付近で描いた後、塩屋町へ行った。黄桜酒造が「カッパカントリー」というレストランをやっていて、一度飲みに入ったこともあるが、スケッチしたことはなかった。道の南側に系列の酒蔵・東山酒造があり、深い日影を提供してくれている。午後1時スタートの昼食会までにはあまり時間がなかったが、手際よくざくっと描いた方がかえって線に勢いが出ていいような気もした。

鳥せい本店あたり(京都市伏見区上油掛町)  2012.08.25        36×51p
悠彩会スケッチ会の楽しみは昼食会。今回は会場が酒処・伏見なので、清酒・神聖の山本本家が経営している「鳥せい」が予約してあった。予算の関係で手ごろな弁当と、本来なら清酒といきたいところだが、暑い最中なのでやはりビール。弁当は若者には量が不足かもしれないが老人には十分だった。昼食後、店を出たところの上油掛町でNさんと並んでもう1枚描いた。右側の酒蔵の向こう側の並びがその「鳥せい」の本店。

月桂冠旧本社あたり(京都市伏見区南浜町)10.08.27      F6
朝からクーラーをかけてごろごろしていたが、外を見ると風があり、日影なら涼しそうな気がしたので、手近な京都・伏見へ出かけた。「月桂冠」の旧本社の北側に手ごろな日影を見つけた。記録破りの暑さが続くが、季節は確実に秋に向かっている。この絵を描いているうちに正午になった。影の長さは正確にスケッチしたが、真夏なら正午ごろにこんな長い影はできない。

竜馬通り商店街A(京都市伏見区中油掛町)10.08.27      F6
大手筋商店街まで昼食に行った帰りに竜馬通り商店街を通りかかった。今年2月にもスケッチした(下の絵)が、日影がうまく確保できたので、また描く気になった。

大倉家本宅あたり(京都市伏見区本材木町)10.08.27     36×51cm 
本材木町から南浜町にかけて月桂冠(旧大倉酒造)関係の建物が集中している。右側の背の高い建物が大正時代に建てられた旧本社社屋で、正面の大きな町家が大倉家本宅である。同社ホームページによると1828年(文政11年)に8代目当主の時代に建てられたものだという。このあたりは幕末に起きた「鳥羽伏見の戦い」の戦場となり、周辺の建物は焼けたが、本宅は焼けなかったそうである。スケッチしていると下校時になり、小学生がガヤガヤ言いながら通りかかる。「あれ、もう夏休みは終わった?」と思いながら、描き込んだ。後で調べたら京都市の小学校は2学期制らしい。

大倉記念館あたり(京都市伏見区本材木町)10.08.27     F6
暑い日のスケッチはやはり疲れる。3枚描いたので、もう切り上げて帰ろうと思い中書島駅へ向かう途中、大倉記念館の前を通りかかると、太陽は傾き、広い道全部が日影になっている。たびたび通る道だが、北側からのアングルで描いたことがなかったので、もう1枚欲張ってスケッチすることにした。

玉乃光酒造あたり(京都市伏見区東堺町)10.02.20     36×51cm
与堂さんが描かれた玉乃光酒造の酒蔵が面白そうなので、出かけてみた。玉乃光は”二日酔いしない酒”といわれる。若いころ、それを聞いて、飲兵衛の先輩と2人でしこたま飲んだら、しっかり二日酔いになった。スケッチしている時、ここの社員が出てきたので、その話をすると「頭は痛くならなかったでしょう」という。どうだったか、そこまでは覚えていない。

阿波橋あたり(京都市伏見区村上町)10.02.20    F6
玉乃光酒造あたりで1枚描いたあと南へ歩いて「富翁」の北川本家・乾蔵の前に椅子を置いた。以前ここで描いたことがあるが、濠川に架かる「阿波橋」という橋の前後の家並みが面白い。「このあたりを描いてもらえるとはありがたい」と通りかかったご婦人がいう。観光客はまったく来ない場所だが、周辺には絵になる家並みがたくさんある

竜馬通り商店街@(京都市伏見区中油掛町)10.02.20   F6
この日の3枚目に「竜馬通り商店街」を描くことにした。テレビドラマの影響か、今年は坂本竜馬ブームらしく、このあたりは観光客であふれている。商店街を南に抜けたところにある旅籠「寺田屋」の前などは人垣ができて交通渋滞が起きていた。この商店街が「竜馬通り」と呼ぶようになったのはいつのことか知らないが、とてもにぎわっているのはいいことである。絵を覗き込んだご婦人が「屋根の修理がなかなかできなくて…」とおっしゃる。スケッチしていた茶舗の人だった。

大倉記念館@(京都市伏見区本材木町)09.01.05    36×51cm
仕事始めの日、仕事もないので、09年の初スケッチに伏見に行った。伏見でひときわ目立つのが月桂冠(旧大倉酒造)が古い酒蔵を活用した「大倉記念館」である。京阪電車の中書島駅で降りて一番行きやすい場所にあるし、日当たりも良いので、とりあえずこの建物を描くことにした。この日、記念館はまだ正月休み。入り口の張り紙を見て「何だ休みか」とぶつぶつ言っている観光客も多かった。

寺田屋付近@(京都市伏見区南浜町)09.01.05     36×51cm
2枚目には、幕末の「寺田屋騒動」で有名な旅籠・寺田屋あたりを描いた。08年9月「この建物は鳥羽伏見の戦いで焼失した後、建て替えられたものではないか」ということで話題になり「平成の寺田屋騒動」とも呼ばれた。しかし、そんなことに関係なく、前で記念撮影する人、入場料を払って見学する人などが多く、相変わらずの人気である。

黄桜酒造あたり(京都市伏見区塩屋町)08.02.11     36×51cm
この日は竹田街道より西側で描きたいと歩き回ったが、目指していた場所は空き地になっており、結局、いつもの酒蔵が並ぶポイントへ。塩屋町といっても分かりにくいが、黄桜酒造のレストラン「カッパカントリー」のある小道といえば、うなずかれる方も多いはず。観光客がぞろぞろ通る。

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