京都府

祇園富永町(京都市東山区)

祇園の四条通から一筋北の道路に沿って富永町がある。四条より南のいわゆる祇園甲部はいかにも風情がある町並みだが、四条より北側はスナックやバーの入ったビルがひしめき、どこの都市にもある繁華街といった雰囲気。しかし富永町の通りに面して祇園屈指の老舗お茶屋・富美代もある。ここからほど近い南座などの芝居小屋とともに栄えた名残である。
 
 
   
  祇園富永町「富美代」辺り(京都市東山区)19.08.10    F6  
  この日、悠彩会スケッチ会が京都・祇園界隈で開かれた。最高気温が39度Cと日本一の猛暑予想だったが、何が何でもスケッチという猛者10人が集まった。南座前に集合、思い思いの場所に散らばったが、私自身は間違いなく日陰が確保できる東西の通りに焦点を絞って描くことに決めた。まずは四条通の一筋北にある富永町の通りへ。伝統的な建物が並ぶ老舗のお茶屋・富美代の辺りを描いた。後で調べたら、富美代がある場所は末吉町で、富永町は電柱から向こうということが分かった。  

祇園富永町A(京都市東山区)  2012.08.21         F6
日影が一番短い昼近くでも間違いなしに日影がある場所を考え、東西の狭い道の南側にビルがある富永町へ行った。この通りには文化年間(1804〜18)の創業といわれる老舗のお茶屋・登美代がある。その向かい側はこの時間帯には営業していない飲み屋ビルで、人通りも少ないため、遠慮なくスケッチできる。このあたりで描くのは2度目だが、建物が道路に対して少し斜めに建つ、鋸の歯状の家並みなっており、変化があって面白い。

履物店「ちょぼや」など(京都市東山区)11.12.03     F6
花見小路四条上ルに「ちょぼや」という履物店がある。与堂さんやひまつぶしさんが描かれているが、けっこう有名な店らしく、原田泰司画伯の絵にもなっている。祇園の舞妓さんが履く「ぽっくり下駄」などが店の表に飾ってあり、玄関脇には小さな赤い鳥居も。看板は「ゝや」となっており、これを「ちょぼや」と読む。「どんな文字でも点から書き始めるように、点(ゝ、ちょぼ)はものの初め」というのが店名の由来とか。その北隣りにある京料理の「北郎」という店の表も、小道具一杯で楽しい。所在地を確かめると富永町の一画にあるので、このページに載せることにした。


2019年8月にここを通りかかると、「ちょぼや」は健在だが、隣の料理店があった場所は更地になっていた。→→

祇園富永町@(京都市東山区)06.03.15     36×51cm
三条通で居酒屋の絵を描いたあと、いわば2次会で富永町へ。スケッチしていると「昔はここらも全部お茶屋さんどしたんえ」と声をかける人もいたが、はて昔とはいつごろのことやら。ちょっと昔と言われてよく聞いたら100年、200年も前ということもあるのが京都の町。

京都市東山区祇園新橋へ
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