石川県

尾張町界隈(金沢市尾張町ほか

尾張町は城下町時代の金沢経済の中心地であった。旧北国街道で道幅の広い国道159号線が町内を横切っており、連続性のある古い町並みといえるほどのものは残っていないが、かつての伝統を引き継いだ大型の商家建築などが随所に見られる。北国街道に面して元銀行だったという和風の建物を活用した「町民文化館」や老舗の資料を展示した「尾張町老舗交流館」といった施設もある。

尾張町の町並み(金沢市尾張町2丁目)       2015.06.14    F6
尾張町には大型の商業建築があちらこちらに残っているため、気になっているポイントで描いて、2日間の金沢スケッチの締めくくりにすることにした。尾張町2丁目のこの場所はバスが通る国道159号の1本北の通り。突き当りに見える「壽屋」という料理屋の建物がとても魅力的で、描いてみたい気もしたが、町の雰囲気が伝わるこのアングルを優先した。

加賀麩の「不室屋」あたり(金沢市尾張町2丁目)       2015.06.14    F6
旧北国街道(国道159号)に面して、加賀麩の老舗「不室屋」の本店があった。その建物が面白いし、裏手に魅力的な木造洋館があったため、合わせて1枚の絵にすることにした。道路の向かい側に順風堂という陶磁器店があり、店先が日陰になっているので、お願いして椅子を置かせてもらった。尾張町にはまだ描きたいポイントもあったが、次の訪問地の富山市八尾町も気になったので、これで最後にした。

「すみよしや旅館」(金沢市十間町)       2015.06.13    F6
2015年の「いらかぐみ」オフ会は尾張町の南・十間町にある「すみよしや旅館」という老舗旅館を会場に選んだ。オフ会は13回目となるが、このところ建物に昔の風情を残す老舗旅館で開いている。聞けば、すみよしや旅館の創業は1638年(寛永15年)で、何と創業370年。金沢で最も歴史があるという大変な老舗であった。この日は朝早く大阪を出て十分にスケッチした気分だったので、泊まる旅館をスケッチしながら仲間の到着を待つことにした。絵の右側がその旅館。建物や設備、料理、サービスともに素晴らしく、そのうえ料金はリーズナブルと、いうことなし。1年ぶりにメンバーが顔を合わせ、さらに今年は新入会員もあって、夜遅くまで盛り上がった。

尾張町の商家の屋根には明り取りの櫓が目立った。「すみよしや」にもそれがあったが、内部からは見事な梁組みの上部に明り取り窓が見えた。→→

いらかぐみ・七ちょめさんの「すみよしや旅館」宿泊リポートがこちらに。

武蔵ヶ辻の味噌屋(金沢市尾張町2丁目)    07.03.30   F6
尾張町の西の端に武蔵ヶ辻という繁華な交差点がある。この交差点をバスで通った時、面白そうな味噌屋さんの建物が見えた。店の全面に看板や暖簾を派手に掲げている。あとで気付いたのだが、この店・中六商店の建物は「かぐら建て」という珍しい建て方である。この味噌屋さんの向かい側に有名な近江町市場の入り口がある。その自転車置き場に椅子を置かせてもらって描いた。この絵は努力賞ものである。何しろ目の前の道(国道159号)は交差点に向かう車が数珠繋ぎで向こうが見えない。わずかな隙を縫って、見える部分から描き足して完成させた。

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